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鈴木浩子 インタビュー
1 地鳴りのようなブーイングが体をつきぬける、快感。
2 “浮気されまくっても別れなかった、理由?
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『ゲイシャ・ガール、リングに上がる』

鈴木浩子著
集英社インターナショナル刊
発売 集英社
¥1470

2 浮気されまくっても別れなかった、理由?

──ところで、今日は健想選手も隣にいらっしゃるので聞きづらくはあるのですが、浮気で何度も別れた話が出てきますけど……なぜこんな人と結婚したんでしょう(笑)。

健想さんが凄いんですよ(笑)。別れても「元気?」とか普通に電話してくるんです。「もうかけてこないで」って言うと「こんなに長い間人生一緒にやってきたのに、別れたとたん話をしなくなるなんて冷たい」って言うんですよ。で、なんとなくご飯食べに行ったりしているうちに、気が付いたら彼女に戻っている。

──よりを戻すのは、健想さんが浮気相手と切れたってことなんですか?

健想「いや、“浮気”じゃなくて“浮体(うわたい)”なんです」

──浮体! 気持ちは浩子さんだけど、体はよそにいく(笑)。

いつも女の子から私が嫌がらせされてバレるんですよ。だから「ご飯くらい一緒に食べてあげなさい」って言うと、キレるんです。「そんなことに金を使いたくない! お前のために金を使いたいのに他の女に金を使えって言うのか!」って(笑)。

──意味がわかりませんよ!

変でしょお!

──健想選手がアメリカでブレイクする自信が100%あったということですけど、夫として100%大丈夫だという自信はあったんでしょうか?

健想が失業した時に周りから誰もいなくなったんですね。今までちやほやしてくれた人がみんな。
そんな中で、たったひとり助けてくれたのが恩師だったんです。ワガママでウソをつく健想を許して、愛情を下さったんですよね。出来の悪い子を助けてくださった。その愛情にふたりで涙して、そこで初めて結婚を考えたんです。

私はそれまでテイクバック(見返り)ばっかり期待していました。私はこんなに我慢しているとか、これだけ尽くしているのにとか。それからは、返ってくる返ってこないじゃなくて、与えることにしたんです。

──それって普通の女の子とは違う感覚だと思うんですが。

私もそれまでは同じでしたよ。「これだけ耐えているんだから何か買ってもらおう」とか。「鈴木健想の妻になればそれだけで仕事が入ってくるかもしれない」とか。そういう、おいしい話を考えてました。そうじゃなくて、純粋に愛情を出すのが大切だと。愛情を与えてくださった恩師を見て、私も健想も反省したんです。これで駄目ならば離婚すればいいからって。

──じゃあ、“浮体”はもうやめてるんですか?

健想「は、しばらくは…」

──しばらくって(笑)。

健想「WWEにいる間に、悪いことはブーメランのように返ってくるというイメージが染みつきましたから」

私も、今は不思議なくらい心配ないですよ。アメリカのWWEでの2年間、ふたりで最高の幸せと最低の地獄を見てきましたから。

ヒマがあれば女の子と遊んで、っていうイージーな環境じゃなかった。何かミスをすれば足元すくわれる世界ですからね。そこで「必要なもの」と「欲しいもの」の区別がついたんだと思います。「必要なもの」を追わなきゃいけないときに、「欲しいもの」を追っていると必要なものは得られないじゃないですか。

──いきなり白塗りになるのもそうなんですけど、アナウンサーになっても辞めちゃったりとか、普通の人だったら捨てられない“安定”をあっさり捨てられるのはなぜですか?

友人が死んだときに思ったんです。
彼は富も名声も得たけれど、死ぬ間際に思ったのは家族のことじゃないかって。本当に満足して死んだのかな? って。
逆に私たちの恩師は、お金とはかけ離れた生活だったんですけど、人生をエンジョイして大往生で亡くなられたんですね。そういう人たちを見ていると、やりたいことをやらないで後悔する人生はいやだなと思うんです。「よくやった!やりたいことは全部やった!」と言って死にたい。お金と生活は後から付いてくる(笑)。

撮影/藤里一郎
取材・文/オクダサトシ

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