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小澤征良(おざわ せいら)
1971年米国サンフランシスコ生まれ。
上智大学比較文化学部卒業。メトロポリタン歌劇場演出家、デイヴィッド・ニース氏の助手としてオペラ演出を学ぶ。「音楽の友」「25ans」などにエッセイを執筆。『おわらない夏』は、初めての長編作品となる。
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| 集英社刊 |
本体1,300円+税
ISBN:4-08-774622-4 |
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毎夏を過ごした「タングルウッド」での思い出が、みずみずしいほどの感受性とともに、色鮮やかによみがえる……。
『すばる』2002年8月号に掲載され大好評を博した作品、待望の単行本化! |
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タァタは征良さんの母方のおばあちゃんのニックネーム。料理研究家の入江麻木さんとして知られている。
「誕生日パーティーのときは、いつもタァタがケーキを作ってくれました。たとえばサッカーをやっていた弟にはサッカーボールをかたどったケーキ。私には、人形が乗っていて町みたいになっているケーキ。うちに遊びにきた友達はみんな『こんなケーキ、見たことない!』ってびっくりしてました(笑)」
タァタはとてもおしゃれな女性。真っ赤な口紅に真っ赤なマニキュアで、シャネルスーツを着こなす。戦後の物のない時代でも、靴墨を使ってマスカラをしていたそうだ。そして10代の征良さんに「いつか本を書きたい」という気持ちが芽生えたのは、タァタが書いた『バーブシカの宝石』(講談社)という本がきっかけだった。
「タァタが祖父と出会って恋に落ちた頃の話を『へぇーっ』とびっくりしながら読みました。祖父は金髪のロシア人。柔道や剣道もやっていて、めちゃめちゃカッコよかった。タァタはおじいちゃんの家のそばまで行って、木の陰からじーっとながめていたりするんです(笑)」
「祖父のおかあさんはロシアの貴族。革命のとき、毛皮のコートの裏に宝石を縫い付けて逃げた……なんて話も出てくる。貴族でもない日本人のタァタは、ずいぶん厳しくされたようです。それでもタァタは努力してロシア語をマスターして、懸命に本物のレディを目指した。バーブシカというのはロシア語で"おばあちゃん"という意味。タァタは"義理のバーブシカから教えてもらったことは宝石だ"と書いています。それを読んだとき、文章の中のタァタの心に感動しました」
「家族の若い頃の話しや自分のルーツって、なかなか改まって聞く機会がないでしょう。私は祖母としてのタァタしか知らなかったけど、こんなステキな恋愛物語があったんだ、こんな障害を乗り越えておじいちゃんと結ばれたんだなぁ、と。本を通して祖母の青春時代にアクセスして、そのにおいをかげるなんて、すごいことですよね。書くことは小さい頃から好きで、日記や架空の話しを書いたりしていました。でも『バーブシカの宝石』を読んだとき、『私もこんな本を書いてみたい!』と思ったんです」
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過ぎ去った日々を思い起こさせる写真が飾られた、タングルウッドの家の居間。ソファが、庭に面した窓際に置かれている。(撮影/小澤征良) |
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インタビュー・文/石川敦子
撮影/関俊也 スタイリスト/上村美由紀
ヘア&メイク/富岡浩子(パジャパティ)
ニット¥8900/ブラウ・ウィット代官山店
スカーフ¥6900/マリンフランセーズ代官山店 |
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