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小澤征良「おわらない夏」スペシャルインタビュー
小澤征良(おざわ せいら)
  小澤征良(おざわ せいら)
1971年米国サンフランシスコ生まれ。
上智大学比較文化学部卒業。メトロポリタン歌劇場演出家、デイヴィッド・ニース氏の助手としてオペラ演出を学ぶ。「音楽の友」「25ans」などにエッセイを執筆。『おわらない夏』は、初めての長編作品となる。

 
Vol.1 タングルウッドに感謝をこめて
Vol.2 父親譲りの一本気な性格!?
Vol.4 愛があれば、喘息なんて!
Vol.5 これからも新しい冒険に挑戦していきたい
第1回 まだまだおわらぬ『終わらない夏』
第1回 本を通して得た、たくさんの出会いに感謝
「おわらない夏」 小澤征良・著
「おわらない夏」 小澤征良・著
集英社刊
本体1,300円+税
ISBN:4-08-774622-4
毎夏を過ごした「タングルウッド」での思い出が、みずみずしいほどの感受性とともに、色鮮やかによみがえる……。
『すばる』2002年8月号に掲載され大好評を博した作品、待望の単行本化!
詳細はこちら
Vol.2 父親譲りの一本気な性格!?


『おわらない夏』には、征爾氏の「パパ」としての素顔もいっぱいにあふれている。突然、雪の穴に落ちた征良さんの救出に必死のパパ。征良さんがプールでおぼれかけ、あわてふためき飛び込む瞬間、親指の生爪をはがしてしまったパパ……。

「父は私が生まれたとき、泣いたそうです。音楽家や指揮者は、先ゆきのわからない仕事。それでも若いときその世界に飛び込んで、今の自分になれた。そんな自分に娘が授かった。そのことに感動して、『赤ちゃんのために何かしたい』と思ったらしいんです。それで、かなりのヘビースモーカーだったのにピタッとタバコをやめた。そうしたら、急性の禁断症状で体中に湿疹ができて入院したそうです。少しずつ減らせばいいのに……(笑)」

「思い込んだら、何の計算もしない。今もそういうところは全く変わってないですね。父は夏目漱石の『坊っちゃん』が大好きで、世界各国のよく行くホテルに1冊ずつ置いてあるんですけど、パパ自身、『坊っちゃん』がそのまま大人になったような人。やんちゃで子供の心を忘れていない。自分が60歳だっていう自覚が全くない(笑)。すぐ無理するし、自分の道をガーッって進んでいくし。20代のとき、言葉もできないのにいきなりスクーター1台貨物船に積んで、外国に出ていったんですから……。父にとっては、全てが冒険なんだろうと思います。男だったらああいう人になりたい、と思う」


けれども征良さんの話を聞いていると、一本気で負けず嫌いな性格はまさに父親譲り。たとえばキックボクシング。征良さんには持病の喘息があるが、あるとき突然、「打倒、喘息!」とキックボクシングを始めたという。

「体に負けるのがイヤなんです。薬を飲みたくないし、吸入器をもって旅行するのもイヤ。最初から喘息に負けてるような気がするから。喘息で死ぬのは絶対イヤだ、克服してやろう! って、2年半くらい前からジムに通い始めました。最初はつらかったけど、慣れてきたらおもしろくて。今は筋肉もついてきたし、だいぶ体力もつきましたよ。どんなときも負けない自分でなるべくいたいですね」

タングルウッドの森に掲げられた「81番地」の表札。
タングルウッドの森に掲げられた「81番地」の表札。小澤さんが毎夏を過ごした、大好きな家の入り口だ。(撮影/小澤征良)

インタビュー・文/石川敦子
撮影/関俊也 ヘア&メイク/富岡浩子(パジャパティ)


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