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小澤征良(おざわ せいら)
1971年米国サンフランシスコ生まれ。
上智大学比較文化学部卒業。メトロポリタン歌劇場演出家、デイヴィッド・ニース氏の助手としてオペラ演出を学ぶ。「音楽の友」「25ans」などにエッセイを執筆。『おわらない夏』は、初めての長編作品となる。
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| 集英社刊 |
本体1,300円+税
ISBN:4-08-774622-4 |
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毎夏を過ごした「タングルウッド」での思い出が、みずみずしいほどの感受性とともに、色鮮やかによみがえる……。
『すばる』2002年8月号に掲載され大好評を博した作品、待望の単行本化! |
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ニューヨークから車で3時間。マサチューセッツ州、バークシャー山脈のふところに抱かれた街、タングルウッド。豊かな自然の美しいこの街で、毎夏、ボストン交響楽団の音楽祭が開かれる。征良さんの父である小澤征爾氏は29年間ボストン響の音楽監督を務め、征良さんは生まれて以来、タングルウッドで夏を過ごしてきた。その征爾氏がボストン響の音楽監督を退任し、2002年度よりウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。小澤家にとっての「タングルウッドの夏」は、2001年でひとつの区切りを迎えた。
「タングルウッドは私の体の一部なんです。毎年、当たり前のようにそこで夏を過ごしていたので、タングルウッドの夏が"なくなってしまう"ことが本当に悲しかった。あそこで過ごした時間を書きとめておきたい。子供のときに感じていた気持ちを忘れたくない。いっしょに過ごしてくれた家族や友人たちに『ありがとう』って伝えたい。そんな気持ちで『おわらない夏』を書きました」
「毎年、夏休みの宿題をやったタングルウッドの子供部屋で書いたんです。机に座って書き始めると、今まで忘れていたことがどんどんよみがえってきた。どしゃぶりの雨の中で遊んだこと。森を渡ってくる風のにおい。ふとした瞬間の気持ち。大人になった今の視線から見た思い出ではなく、小さな子供の目線で映像が浮かんできたとき、『あぁ、今、本当にあの時代とコネクト(=つながる)できたな』と、うれしかったですね」
「『すばる』誌上で発表したとき、全然知らない方から『読みましたよ』って声をかけていただいたんです。『登場人物たちが、自分の友人のような気がした』『いっしょに夏を過ごしたような気持ちになりました』って。私の心の中だけにあったものが、知らない人と共有できるなんて……不思議です。この本を書かなければ埋もれてしまった思い出もたくさんある。書いてよかった、と思います」
「タングルウッドは私にとって、幸福な子供時代の象徴なのかもしれません。子供のときは何とも思わず当たり前に過ごしていたけど、今振り返ると、本当に完璧な子供時代でした。どんな人にも、子供だった時代はあるでしょう? 『おわらない夏』を読んでくれた人が、自分が子供だったときの気持ちをふっと思い出してくれたら……それが一番うれしいですね」
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タングルウッドの家にある、小澤さんの勉強机。父・小澤征爾氏との写真が飾られている。『おわらない夏』は、ここで書き上げられた。(撮影/小澤征良) |
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インタビュー・文/石川敦子
撮影/関俊也 ヘア&メイク/富岡浩子(パジャパティ) |
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