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小沢瑞穂(おざわ みずほ)
東京都出身。立教大学英米文学科卒業。アメリカ留学後、エールフランスのキャビンアテンダントとして勤務。その後、帝人マーケティング部、デパートの商品企画室で翻訳などに携わり、35歳でフリーの翻訳家として独立。主な訳書に、エィミ・タンの『ジョイ・ラック・クラブ』『キッチン・ゴッズ・ワイフ』、リチャード・カールソンの『小さいことにくよくよするな!』シリーズ、ジュディス・クランツの『ダズル』『スクループルズ 愛と情熱の物語』、フラン・レボウィッツの『嫌いなものは嫌い―メトロポリタン・ライフ入門』、クリストファー・アンダーセンの『マドンナの真実』など多数がある。著書に、エッセイ『やっとひとり』。
小沢瑞穂 スペシャルインタビュー
1 人の気持ちを変える、それが現代の奇跡ではないでしょうか
2 やりたいことは全部おやりなさい。ただし、自分の責任で。
赤い手袋の奇跡 ギデオンの贈りもの

カレン・キングズベリー 著
小沢瑞穂 訳
集英社 刊
¥1365(税込み)
ISBN:4087734544
ご購入はこちら

『赤い手袋の奇跡 ギデオンの贈りもの』 小沢瑞穂スペシャルインタビュー

2 やりたいことは全部おやりなさい。ただし、自分の責任で。

翻訳家歴30年、100冊を超える訳書があり、人気翻訳家として知られる小沢瑞穂さんが、訳しながら思わず涙し、「多くの方に読んでほしい」と思ったクリスマスの奇跡の物語。小沢さん自身、この作品に刺激を受け、翻訳の新境地を開き、人生にもさらに意欲的に取り組んでいます。

小沢さんは、エィミ・タンなどアメリカ女性作家の作品や日本でも100万部を突破したリチャード・カールソンの作品など数多くのベストセラーを手がけられ、訳書も100冊を超えていますね。

「アメリカの女性作家の本は、私が離婚したこともあり、女性が働くということでトップランナーだったアメリカの作品に興味があって、自分自身走りましたね。自分と重ね合わせていたのだと思います」

そんな小沢さんが、2年ほど翻訳の仕事を離れていらしたそうですが、なぜ?

「2年前、翻訳家として30周年のお祝いをやっていただいて、それが引退宣言だと思われたようです。私も『ひと休みしてもいいかな』と思いましたし。ちょうどその頃始めた蕎麦店で料理を手伝ったり。またこのところ、日本の作家の勢いが増し、翻訳物が減ってきたこともあります。でも離れてみたら、私は翻訳の仕事が本当に好きなんだ、とわかりました」

その蕎麦店、東京・浜田山の光林は、手打ち蕎麦の専門店だそうですが、ほとんど毎日店に出ていらっしゃるとか。両立は大変でしょう?

「毎日、汗をかきながら天麩羅を揚げたり、料理を作っています。懐石料理も学びましたが、もともと人に『おいしい』といっていただきたい、それだけで。ほとんど趣味ですね。自分だけのための料理ならやらないんですが(笑)。60代から始めた料理人ですが、真剣に取り組んでいます。翻訳の方は、作品を選んで年に1冊くらい、5年は続けたいな、と思っています」

翻訳家は、若い女性の憧れの職業ですが、魅力や大変さ、どうやったらなれるかを教えていただけますか?

「魅力は、ピタッとはまる言葉が見つかったときの安堵感、うれしさですね。言葉が好きなんです。翻訳家はまず、基本的な日本語力が大切です。それに、いろんな面で影響してくる挫折の経験。だから、翻訳家志望の方には“いろんな経験”―会社に勤めたり、世界を旅したり、恋愛や失恋をしたり―をしてほしいですね。そして、実際の翻訳という作業は、登場人物にどれくらい共感を持てるか、が大切です。やっていくうちに、おのずと自分に合った分野に進むと思います。私の場合、自分に合うものをみつけるのに20年くらいかかりました」

結婚、出産、離婚と女性の生き方のフルコースを味わいつつ人生を謳歌していらっしゃる。また、仕事では数々のベストセラーを手がけられた、いわゆる勝ち組。そして60代の今、いい意味で二股人生を楽しんでいらっしゃる小沢さんから、後輩である女性達へアドバイスをいただけますか。

「やりたことは全部おやりなさい。ただし、自分の責任で、絶対人のせいにしないで。みんな、やりたいことがみつからないって悩んでいますが、なにかを始めないとやりたいことはみつからないんです。やってみて初めて、好きか嫌いか、合っているか合っていないかがわかるんです。なにもしないまま5年、10年たっても、なにも残りません。好きなことがみつかったら、もう少しがんばってみよう、って気にもなるでしょう。私は満身創痍で傷つきながらきました。失敗覚悟で飛び込んで、もちろん傷つくけれど、また立ち直る力を与えられるんです」

インタビュー・文/林 公子
撮影/篠原 伸佳

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