かとう のりこ
1973年、三重県生まれ。'92年に歌手デビュー。以後、テレビドラマやバラエティ番組、 CMなどで活躍。'00年、仕事を一時中断して語学留学のため、フランスへ。2年間の留学を終え、帰国後、仕事復帰。'03年には舞台「新版・忠臣蔵外伝『喧嘩安兵衛』」に出演するなど、活躍の場を広げている。フランス滞在中から自宅録音で放送していたインターネットラジオを、現在も引き続き担当中。http://noriko-kato.i-radio.fm/


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be文庫最新刊

加藤紀子・著
ISBN:4-08-650037-X
「フランス語を話せるようになりたい!」その気持ちひとつで、タレントとしての仕事を休んで、日本を飛び出した――。加藤紀子が、2年間の滞在中に体験したさまざまな出来事を、今までの留学本にはなかったリアルな言葉で綴ります。
昨年、2年間のフランス留学から帰ってきた加藤紀子さん。その留学生活を一冊にまとめた本が、集英社be文庫の最新刊として8月20日に発売された。
タイトルは、『私にも出来たいくつかの事―フランスにて―』。

「フランス映画やフレンチポップが大好きなのに、フランス語を話せないなんて、と思ったのがフランス語を学ぼうと思ったきっかけ。それで思い切って留学したんですが、もともと書くことや読むことが好きだったので、出発前から『留学のことを書いた本を出せたらいいね』とスタッフと話していたんです。だから、留学中にコツコツ書き進めておこう、と思っていたのに・・・・勉強が忙しくて余裕なんか全然なし(笑)。ほとんど書けずに戻ってきちゃいました」

帰国後、一年ほどたった今年の春から三ヵ月以上かけて書き上げた「留学記」。結果的に、帰国後しばらく経ってから書いたことは「かえって良かった」と思っているそう。忙しいタレントの仕事を一時休業し、30歳を前に旅立ったフランス。『私は何かをインプットする必要があったのだ』(『私にも出来たいくつかの事―フランスにて―』より)と記す、加藤さんが真摯に綴ったエッセイは、留学を考えている人だけではなく、自分のやりたいことを見つけようとしている人にも、きっと大きなヒントになるはず。

「留学中は、"渦中"なんです。つまり、私の周囲で起こるすべての出来事の当事者なんですよね。だから、留学中に書いていたら、周りの出来事の意味を、きちんと自分の中でジャッジして書けなかった気がします。帰国してすぐ書いたとしても、今度は日本とパリを比べて、『パリではこうだったのに・・・・』とキラキラした思い出だけを書いてしまったかもしれないし。帰国して時間が経ったからこそ、パリで見たり感じたりしたことを客観的に思い出せるんだと思います。今なら、全ての経験が財産になったと実感できるんです」

当初、数ヵ月の「プチ留学」のつもりでフランスに渡った加藤さんが、滞在を延ばし、パリに腰を据えてみたのは、「語学力」をもっと上達させたかったから。と同時に、「精神的な強さ」も加藤さんにもたらした。楽しかったけれど、甘いだけでもやっぱりなかった留学生活。気持ちが落ち込んだり、イヤな思いをすることもあった。そうした、一見「ネガティブ」な(?)体験も、驚くほど赤裸々に書かれているのが興味深い。それにしても、どうしてここまで正直に?

「パリでの日本人って割とボーッとしてる人が多いんですよ。私でもスリができるよ?と思うくらい、すごく無防備(笑)。憧れのフランスといっても、危ない場所や気をつけるべきことがいろいろあるのも事実です。フランスでの旅や留学を楽しむために必要な心構えは、やっぱり持っていたほうがいい。私はそう思うので、あえて書いた、という部分はあります。無防備のまま事件に遭って、フランスを嫌いになって帰らないで欲しいですから」

インタビュー&文/中沢明子
カメラ/木村直軌

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