桃井かおり
Profile

MOMOI KAORI
東京生まれ。
女優、シナリオライター、監督、 プロデューサー、ジャズシンガーと多才ぶりを発揮。
ダイヤアクセサリー(MOMOIIN Maki)のデザインもてがけている。
『まどわく』、『卵を抱えて』につづいて本著で「be文庫」3部作が完結。この4月からNHKのトーク番組『夢・音楽館』とドラマ『伝説のマダム』(日本テレビ系)にレギュラー出演。
桃井かおり「賢いオッパイ」
 サラリーマンのリストラは日常茶飯事、失業率も上がるばかり。「いい学校なんか出たって関係ないじゃん」と文句の一つも言いたくなるこの時世。桃井かおりさん自身もずーっと長いこと「学校なんか必要ない」と思ってきたとか。ところが、最近「学校の勉強ってけっこう大事だよ」ってことに、ハタと気づいたと言います。

「学校は義務教育だけで十分。あとは好きな語学を覚えるとか、旅をするとか、その中で必要な知識は得ればいいと思っていたの。だけどみんな高校も大学も行くし、嫁にも行くし(笑)、小学生が中学生になるように進学していくじゃない。なんかそれは変だなと思って、私は女子美に行ったんだけど。絵をやってれば衣装の仕事ができるかもしれないとか、舞台美術やれば何かバイトできるかなと。美術学校のほうが生活手段として早いんじゃないかと考えたのね。だけど、今やっと学校行っておいてよかったなって考えられるようになったの」

 やっぱり学校で覚える知識は大事。その気持ちは何か新しいことを始めるたびに強くなると桃井さん。数年前に初めて挑戦した過酷な砂漠の旅、あるいは桃井さんが新しく始めたジュエリーデザインの分野でも、昔習った理科や地理の知識の必要性に迫られたとか。

「たとえばブローチひとつ作るにしても、理科の知識がないと留め金の位置を間違えちゃうんですね。重心がどこにあるかわからないと全体の重さをちゃんとホールドできない。
 どこかに旅に出て、水筒をどう冷やすかっていう知識も理科なのね。気化の原理を利用して、砂漠に行っても水に濡れたタオルを水筒に巻いておけば、少しは冷たい水が飲めるとかね。これも理科を勉強してないと応用できないわけだものね。私、理科なんか勉強してもちっとも役に立たないって思ってたけど、今頃になって“ああ、なるほど必要なんだ”って思い知らされたわけ(笑)。あたり前に先輩たちや親がやれと言ったことは、後々になってみると“よいこと”だったのかもって。
 そう考えると嫁に行くのもけっこう“よいこと”なのかもしれないね(笑)」
撮影/秋元孝夫 インタビュー・文/宮内千和子

生きて、生き長らえて、
生き崩していけば、
きっと、どこかで、出会うかも
しれないあなたに、
本日は、ただのオッパイを捧げる、
私です。
――後がき――より
「賢いオッパイ」
桃井かおり著
●集英社刊
●定価:本体638円+税
●ISBN:4-08-650025-6
年齢に対する思い、恋愛観、少女の頃の思い出や仕事、家族との関係、そして旅…。
個性派女優が本音で綴る、本人の語り口が聞こえてきそうなエッセイ集です。
be文庫のサイトはこちらから 詳細はこちら


インタビュー一覧へ

(c)SHUEISHA Inc. All rights reserved.

詳細はこちら