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【お詫びと訂正】

本誌6月号126ページに掲載の商品の価格に誤りがありました。 ネックレス「¥185320」は、正しくは「¥1853250(税込み)」、ブレスレット 「¥121500」は、正しくは「¥1291500(税込み)」です。
81ページに掲載の商品の価格に誤りがありました。 ブラウス「¥90300」は、正しくは「¥108150」です。
お詫びして訂正いたします。
安藤優子のマルゴな日々
安藤優子さんの愛犬マルゴが語る、愛と喧騒の日常生活
「寝ているときもちょっと悪ガキ風になってきました」
「でも、ほんとはこうやってパパにぴったりくっついて寝ます」
「クレートに入る課題は見事クリア……でも今度は“愛情シャダン”の日々が」
2007年9月×日

 マルゴです。やってしまった。とうとうです。ユウコさんに、それも人差し指に咬みついてしまった……。時は、夜。ユウコさんの事務所のチホさんとえがちゃんがご飯を食べに来ていて、それで、僕もご飯を食べて、その後、みんなでなんとなく団欒していて……ユウコさんがチホさんとちょっと仲良くしゃべっていて……それで、なんか僕も仲間に入れてほしくてね、ふたりに向けてジャンプしたら、そのとき前足の爪でユウコさんの腕を引っ掻いちゃったわけ。で、「マル!痛いでしょ!」ってなんども注意されて、「こういうことはしないの!」と怒られた。それで僕も止めとけばよかったのに、またユウコさんがチホさんと楽しそうにしているから「ね、ね、ちょっとちょっと僕も入れんかい!」とまたまたジャンプしたら、僕のスルドイ歯がユウコさんの右人差し指を直撃。流血の惨事にあいなりました。すいません。
 そして数日後、この前の僕の“キョーボー日記”を読んだトレーナーの刈谷美和センセイがいつもより思いつめたような表情でやって来て、「この前の出来事から今回のアンドーさんが咬まれた事までの詳しい状況を教えてください」って、メモ帳片手に事情を聞いていた。僕はまるで凶悪犯のように小さくかしこまって、伏せの姿勢で耳を傾けた。
「私もたしかに悪かったんですが、どうも私が誰かと親しげに話していたりすると気にくわないみたい。とくに夕ご飯の前後は危ないんです。それでスイッチがひとたび入ると、もう大変。興奮してミサカイなくなるんです」
 こう訴えるユウコさんに、刈谷美和センセイはうんうんとうなずきながらメモを取り、しばらく考えてから、こう言った。
「マルちゃんは、やはり愛され過ぎた“おぼっちゃま”なんです。自分が求めていることはなんでも与えてもらえる……。だからそれがうまく伝わらない、自分が無視されていると思うとキレて攻撃に出たと思われます」
 それを聞いたユウコさんの表情はみるみる悲しげに曇り、僕はいたたまれなくなった。
「そうなんです。私が悪いんです。良かれと思って、マルが不自由のないよう、ストレスを感じないようにと、なんでも先回りして与えた。甘やかした私の責任です」
 しばらく重たい沈黙。
「でもここであきらめてはいけません。しばらくマルちゃんには厳しいでしょうが、“愛情遮断”をしてみてください」
「へっ?“愛情シャダン”?」
「ご飯・散歩以外は極力相手にしない、要求に一切応じない。おやつもあげない。遊んであげるときもこちら側の主導と都合によるものとして、短時間で済ます、というやり方です」
 とんでもないことになりつつあると思った。“愛情シャダン”により、僕はこれから誰にもほとんど相手にされない暮らしをしなければならないらしい。
「アンドーさんも大変つらいと思いますが、ご家族とこの家に出入りするすべての方々が一致団結して“愛情遮断”に臨んでください。そうすることによって、マルちゃんは自分の自由がきかない、誰が飼い主で、自分は飼われている身なのだと思い知るはずです」

 どうも僕はボクではなくて「オレ様」になっていたらしい。たしかに僕はユウコさんに飼ってもらっているブンザイであり、犬であった。それがいつの間にか、なんでもしてくれるから、みんなの優しさにつけ込んで「オレ様」になってしまった。シマッタ。(シャレてる場合じゃない)そして、僕は明日から“愛情シャダン”の日々なのだ。
 ユウコさんはたった今仕事に出かけていった。いつもみたいに「マル!行ってくるよ!」って声もかけてくれなかった。グスン。ドアをそっと閉めて無言で出かけたユウコさん。身にしみるなぁ。
 そういえば、刈谷センセイにこんなことも言ってたなぁ。
「私は犬一匹も満足に育てられないんですね……」
 でも刈谷センセイがいいこと言ってくれた。
「まだあきらめるのは早いですよ。あきらめたらそのときが“失敗”なんです」
 ま、そんなわけで、僕の“愛情シャダン”の日々は始まったのでした。


by マル
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