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集英社初の女性マンガPC配信!! YOU コーラス Cookie 特集
一条ゆかり
『女ともだち』
集英社文庫
<コミック版>全2巻
幼い頃に両親を亡くし、女優の叔母とふたり暮らしの菜乃(なの)。派手な芸能界を嫌い、地道に生きていこうと思っていた。ところが親友でモデルのこずえの仕事につきあった先で、アイドルの晴臣(はるおみ)と出会ったことから、彼女の運命が大きく変わり始める……!?
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一条ゆかりprofile
1949年9月19日生まれ。岡山県出身。第1回「りぼん」新人漫画賞で準入選し、68年に、『雪のセレナーデ』でデビュー。『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』などヒット作多数。07年、『プライド』で、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。08年にはデビュー40周年を記念して、自身の半生を綴ったエッセイ『正しい欲望のススメ』(集英社)を上梓。

1990年はこんな時代でした!!
●事件・出来事 日本人初の宇宙飛行士が誕生、礼宮と川島紀子さんが結婚、女子高生校門圧死事件、東西ドイツが統一、バブル崩壊
●流行 ランバダ、ティラミス、鉄骨飲料、キリン一番搾り、オヤジギャル、成田離婚、愛される理由、ゴースト
●ヒット曲 おどるポンポコリン(B.B.クイーンズ)、会いたい(沢田知可子)、くちびるから媚薬(工藤静香)

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懐かしの名作コミックを作者のインタビューとともに紹介
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何十年たっても忘れられないあのセリフ、あの場面。
そんな永遠の名作を、作者のインタビューや担当者の裏話などとともに紹介するコラムです。
去年でデビュー40周年を迎えた一条ゆかり先生。前回のアーカイブでは70年代、80年代の名作を紹介したが、partIIでは90年代の作品をピックアップ。どれも大人のムードが漂うセクシーでエネルギッシュな名作ばかり。まず女の友情をシビアに描いた『女ともだち』からスタート。でもその前に、映画が公開中の「プライド」のお話を…。
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親友同士だった菜乃とこずえ。しかし仕事でもライバルとなった上に、アイドルの晴臣にふたりとも恋をしてしまい、友情には亀裂が入ってしまう。
「映画に関する話も一度描いてみたいと思っていたので、芸能界の話にしました。当時は私にしては、現場取材を結構したんですよ」。
ちなみに、大女優の白河水絵のモデルは女優の岩下志麻さんなのだそう!?「岩下さんは凛とした感じが好きで、昔から大好きなの」
映画『プライド』はジェットコースータームービー。
波瀾万丈で韓国ドラマのようだと思いました(笑)。
 昨年、デビュー40周年という大きな節目を迎えた一条ゆかり先生。代表作『有閑倶楽部』がドラマ化されたり、雑誌『ヴォーグ』のウィメン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたりと、今なお最前線で活躍する、その偉大な才能にあらためて注目が集まった1年だったが、一条ゆかりブームはまだまだ続くよう。この1月からは、大ヒットの最新作『プライド』が映画化され、絶賛上映中だ。

 そこでまずはちょっと映画の話題から。現在、雑誌『コーラス』で連載中の『プライド』といえば、まんがファンの間ではかねてから話題沸騰の大人気作品。物語のヒロインは、ともにオペラ歌手を目指すふたりの女性だ。

 ひとりはお金持ちの家に生まれ、母親は有名なオペラ歌手というサラブレッドの史緒(しお)。もうひとりがアル中の母親から逃げるように独立し、コネもお金もなく、ゼロから成り上がろうとする萌(もえ)。性格も家庭環境も正反対なふたりが、情熱的にぶつかりあい、切磋琢磨しながら、一流のプロへと成長していく様子をドラマティックに描いたストーリー。

 映画では波瀾万丈な展開に加え、原作の名セリフが要所要所で心にくさびを打ち込んでくれる。一条ゆかりワールドの映像化にふさわしい、華やかな仕上がりになっている。

「ひとことで言って、韓国映画みたいだなと思いました(笑)。というのは、まんがではクライマックスかあって、またいろいろな細かいことがあって、山場が来て……となっているんですけれど、映画では盛り上がる場面をどんどんつないでいるので、フォルテ、フォルテ、フォルテ! という感じで、まさにジェットコースータームービー。でも、まったく飽きさせないおもしろい作品になっていると思います」

史緒の婚約者・神野の役は、何を置いても、
ミッチーにお願いしたいと思っていたんです。
 史緒を演じた歌手のステファニーの初々しい演技、演技派女優として注目される萌役の満島ひかりの熱演も話題だ。

「ステファニーは演技初体験なんですけれど、逆にそのたどたどしさや不器用な感じが史緒ちゃんの性格にあってると思いましたね。それにもともと史緒ちゃん役に関しては、演技力より見た目のほうが重要だと、私は思っていたの。
 日本人の体つきって薄っぺらいけれど、もっと姿勢がよくて、顔も派手で、いかにも声が出そうなガタイのいい人がいいわと。それからいちばん心配したのは品性があるということ。見た瞬間に、『うわっ、お嬢様!』って思うような風格がある人がいいなって思っていたんです。だからステファニーはピッタリだと思いました。
 萌ちゃん役の満島さんも本当に上手でしたね。あの萌のうざい感じがよく出ていて、“貞子(映画『リング』)をやれるよ、キミは!”と思いました(笑)」。

 また原作ファンには見逃せないのが、脇を固める御馴染みのキャラたち。たとえば史緒の婚約者で、レコード会社副社長・神野(じんの)は及川光博。史緒と萌がバイトをする銀座のクラブのママ・菜都子(なつこ)は高島礼子……と、まるでまんがの中からそのまま出てきたようなキャストで作品を盛り上げてくれる!

「神野の役は、何を置いてもミッチーにお願いしたいと思っていたんです。でも、最初はスケジュールの都合で無理だと断られてしまって、『ミッチーが出ないなら、この映画はやらなくていい』と言ってたんだけど、もう一回オファーを出したら、今度はミッチーが原作を読んでくれたらしくて、『オレがやるしかないでしょう』と。私の執念が通じてOKしてくれたんです。おかげでミッチーは神野そのものだった! お願いできて本当によかった。

 高島礼子さんも和服姿が似合ってステキだったでしょう!? 私、大好きなんですよ。それと萌ちゃんのお母さん役のキムラ緑子さんの迫真の演技。あれは素晴らしかった!! なんと言っても、酔っ払いをさんざん見てきたこの私が、本当の酔っ払いみたいだと思ったからね(笑)。

 でも、まんがを映像にすると、こんなに恥ずかしいものなんだぁとしみじみ思いました。この前、ミッチーと対談する機会があって、『よくもあんな恥ずかしい、キザなセリフを真顔で言えたわね』と言ったら、『先生が書いたんじゃないですか!』って言われちゃったけれど、やっぱり自分ではこっぱずかしかったなぁ(笑)」

芸能界を舞台に、女たちのプライドが
激しくぶつかりあう『女ともだち』。
 じつは一条先生の作品には、『プライド』同様、ふたりの女性が恋や仕事をめぐって火花を散らす名作がいくつかある。まず70年代の代表作『デザイナー』。以前、このコーナーでも取り上げたが、ふたりの女性デザイナーの熱い闘いが繰り広げられるドラマで、一条先生はじつはこの作品のタイトルを最初は『プライド』にしようと思っていたのだとか。“プライド”は、一条先生にとって永遠のテーマでもあるのだ。

 そして今回紹介する90年代の代表作『女ともだち』もそんな作品のひとつ。芸能界を舞台に、女たちのプライドが激しくぶつかりあうストーリー。
 幼いときに両親を亡くした高校生の菜乃(なの)は、叔母で女優の西願揺子(せいがんようこ)と一緒に暮らしていたが、菜乃が揺子と同じ道を歩み始めたことから、様々な人の人生が大きく動き始める。

 同じように女優を目指していた親友・こずえと菜乃の間には亀裂が生じ、さらに揺子と大女優・白河水絵(しらかわみずえ)との因縁のライバル対決も復活。そんな中、揺るぎない友情で揺子を救う、献身的なマネージャー・留美子(るみこ)。幾重にも絡み合う女たちの複雑でナイーブな友情を描いた名作だ。

「女友達って、恋や仕事で嫉妬が絡むと、いろいろ複雑ですよね。菜乃とこずえなんて子どもだから、自分の感情ですぐに友情が壊れたりしてしまう。だけど大人の女の友情はちょっと違うと思うの。それが揺子さんとマネージャーの留美子さんの関係。ふたりとも、もとは大部屋女優で、でも、留美子さんは女優を諦めてマネージャーになって、友達の揺子に夢を託している。地味だけれど、すごくいい関係だと思う。そんな大人の女たちの友情をこの作品ではいちばん描きたかったんです」。

(取材・文/佐藤裕美)

*毎週木曜日更新予定
次回は1月29日 一条ゆかりpartII『女ともだち』(2)




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