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本田恵子
『月の夜 星の朝』
集英社文庫
<コミック版>全4巻
4歳のときに、親戚の結婚式で一緒にベール持ちをした“りお”と遼太郎は結婚の約束をする。遼太郎の引越しで離れ離れになっていた2人は中学生になり、偶然にもお互い所属していたバスケ部の試合で再会。遼太郎との約束を信じ続けるりおだけど、ライバルの登場や遼太郎の家庭の事情など、次々に起きる事件に何度も距離を遠ざけられてしまう。このまんがを読んで、バスケをはじめたという人も当時かなりいたはず!
試し読みする!!
『月の夜 星の朝』第2巻の試し読みができます。
第1巻は、バックナンバーの『月の夜 星の朝』(1)で試し読みすることができます。

本田恵子profile
1962年岐阜県生まれ。高校3年生の夏休みに約1ヶ月で描き上げたという作品が、りぼん新人漫画賞を受賞。しばらくは受験に没頭し、普通の大学生活を楽しんでいたが、大学1年の秋にデビュー。初連載となった『月の夜 星の朝』のほか『虹と真珠たちへ』『お江戸はねむれない!』などの作品がある。

1983年はこんな時代でした!!
●事件、出来事……桑田・清原の活躍でPL学園が甲子園優勝。大韓航空機撃墜事件。三宅島噴火。東京ディズニーランド開園。
●話題……『おしん』がNHK朝の連続テレビ小説で歴代1位の視聴率を記録。任天堂からファミコンが発売開始。映画『戦場のメリークリスマス』、『フラッシュダンス』公開。
●ヒット曲……『めだかの兄妹』(わらべ)。『メリーアン』(THE ALFEE)。『め組のひと』(RATS&STAR)。『君に、胸キュン。』(YMO)。

今後の登場予定
■一条ゆかり(2)
■矢沢あい
■さくらももこ
ほか

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
■池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
■多田かおる『愛してナイト』(2)
■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
■多田かおる『イタズラなKiss』(2)
■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
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■柊あおい『星の瞳のシルエット』
■柊あおい『耳をすませば』
■柊あおい『銀色のハーモニー』

■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(1)
■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(2)

■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
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■松苗あけみ『続・純情クレイジーフルーツ』

■吉住渉『ハンサムな彼女』
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(1)
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(2)
■吉住渉『ミントな僕ら』

■本田恵子『月の夜 星の朝』(1)
■本田恵子『月の夜 星の朝』(2)

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そんな永遠の名作を、作者のインタビューや担当者の裏話などとともに紹介するコラムです。
作者の本田さんにとって初連載だった『月の夜 星の朝』。当時、主人公・りおと同じように新しい経験に戸惑いながら、自分の将来について迷いながら描いていたこの作品は、本田さん本人にとって成長の記録なのだとか。
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同じ中学高校でバスケ部で、恋人の遼太郎(りょうたろう)よりも、りおのことを知っているかもしれない親友の麻衣(まい)ちゃん。「麻衣ちゃんの名前と髪型は、私が中高時代にバスケ部で一緒だった友達からもらったものなんです。彼女は数年前に病気で亡くなってしまったのですが、こうやって作品の中にいてくれることで、忘れずにいられるのがありがたいですね」(本田さん)
少女まんがをほとんど読まずに描いた
初投稿作でまさかの新人賞受賞!!
この『月の夜 星の朝』は、本田さんにとっての初連載になるが、当時の本田さんは21歳。まんが家を生涯の仕事にするという気持ちは、まだ固まっていなかったという。

「高3の夏休みに、受験の息抜きで描いた作品で『りぼん』の新人賞に入賞したのが、デビューのきっかけなんですが、当時夢だったのは児童文学の編集者だったんですよ。実は、私、まんがをほとんど読んだことがない子でして……(笑)」

本田さんのご実家が駄菓子屋を営んでおり、偶然そこで売られていた『りぼん』を手に取ったのが応募のきっかけだったとか。

「その『りぼん』をじっくり読んで、まんがの描き方を学びましたね。そのときにスクリーントーンの存在を知ったんですが、1枚800円もしたので、高校生のおこづかいでは手が出なくて。しかたなくすべて手書きで! ペンもかぶらペンしか持っていなかったので、細かいところはボールペンで描いていました(笑)。当時のまんがは、そこまでスクリーントーンも多用されていなかったし、今のようにパソコンで描く人なんて当然いませんでしたから。紙とペンだけがあれば、誰でもまんがを描くことができた時代だったんですよね」

受賞後は一旦受験に集中し、無事に大学の児童教育学科に入学。大学生活も落ち着いたころに執筆を再開し、大学1年の秋にまんが家デビュー。それから数作描いたのち『月の夜 星の朝』の連載を開始した。

「これは片手間でやっていてはいけない」という気持ちが芽生えた本田さんは、原稿の締め切りのたびに、当時実家のあった岐阜から、東京でひとり暮らしをしていた妹さんの家に転がりこんで、原稿を描くという生活に入る。

「やっぱり普通の生活をしている妹と、夜原稿を描くことが多い私では生活時間が合わなくて。“もういやだ!”と言う妹をなだめて、私が多めに家賃を払うという約束で、振り分けタイプの部屋に引っ越したんです。そうしたら岐阜に帰らず東京に居つくようになってしまって(笑)。体調を崩して休みがちだったのもあって、大学も休学してきっぱりまんがに専念するようになったんです」

やっていけるとか、いけないじゃない。
私はまんが家としてやるべきなんだ!
『月の夜 星の朝』という作品は、本田さんにとってどういう存在なのか。執筆当時を振り返っていただくと、「苦しかったです(笑)」という衝撃の感想が。

「当時は『りぼん』という雑誌も勢いがあったし、まんが雑誌全体が盛り上がっていた“まんがの黄金期”でしたからね。だからこそ、ちゃんとした作品を描かなきゃと思って、プレッシャーと戦っていた記憶がありますね。2年以上続いた連載ですが、最後まで“今回はうまくいった!”と思えた回はなかったなぁ。いつもバタバタとどうにかして仕上げていました。それだけ一生懸命取り組んでいたということだと、今になれば思えますが。

私自身、体調も上がったり下がったり安定しなかったし、まんが家としてやっていくかも迷っていた時期でしたから。その迷いがいい形で出た作品だと思います。私のどこか自信を持てなかった気持ちが、主人公のりおに投影されていますよね」

そのハードな時期を乗り越えられたからなのか、この連載を終えたときには本田さんの弱かったはずの体が、すっかり元気に。そして、ようやくまんが家としてやっていく決意も固まったのだと言います。

「私、まんがって作家の先生がひとりとアシスタントひとりくらいで描いているものだと思っていたんです。でも、実際には打ち合わせしてアイデアをくださる担当さんがいて、日々の生活で私を助けてくれる人がいて、取材をさせて下さる方がいて、読者の方がいて、その中でファンレターを下さる方もいて……。そういった多くの方に支えられて作品はできあがっていくんだってわかったんです。

ここまでやらせてもらえて、多くの方にこんなに期待をしていただけるなら、もう自信がないなんて言っていたらダメなんだって『月の夜 星の朝』を描いて思えました。自分がやっていけるとか、やっていけないじゃなくて、私はまんが家としてやるべきなんだと。今もこの作品を読み返すと、そうやって決意した初心に戻ることができる。私にとってそういう作品です」

(取材・文/古川はる香)

*毎週木曜日更新予定
次回は11月20日 水沢めぐみ『姫ちゃんのリボン』


★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

本田恵子『月の夜 星の朝』

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