ノート1冊ぶんキャラクターを書き込みました。
今では考えられないくらい心血を注ぎました。
仲良し4人組のユニークなキャラが際立つ『純クレ』。実子(じつこ)や桃苗(ももなえ)だけでなく、みよちゃんと沢渡(さわたり)くんのモデルにもこんな衝撃エピソードが!?
「みよちゃんみたいにかわいくてモテる友達もいました。中学も一緒の友達で、すごく色っぽくて、男好きするっていうのかな。一緒に遊びに出ると、冗談ではなく100メートルごとに声をかけられるんです!
いきなり車の窓から手が出てきて、お尻を触られたりとか。もうびっくりですよ。でも、モテすぎるぶん、男ではいろいろ苦労していて、そういう話も聞いていたので、モテるのもたいへんなんだなと思っていましたね。
それから沢渡くんみたいな子は、私のグループにはいなかったんですけど、演劇部の先輩に男みたいな人がいて、歩くときも上履きをつぶして引きずるように男歩きをするんです。いつもきれいめの女の子とつるんで歩いていて、『あのふたり、できてる』みたいな話があったりして(笑)。
だから現実の女子高の方がずっと過激だったので、『純クレ』は現実より、もう少しおぼこいイメージで描きました。個性的でキャラはたっているけど、モテない子たちの話。リアルすぎると、ドロドロになって笑えない話になっちゃうから(笑)」
そして「とにかくキャラ設定だけはしっかり作ろうと、ノート1冊ぶんキャラクターを書き込んだ」そう。
「こんな性格なら、こんなセリフを吐くんじゃないかとか。ちょっとした表情を描いてみたり。今では考えられないくらい心血を注いで取り組みました」
小田島先生のモデルはインディ・ジョーンズ!?
映画を観て『なんてステキなの!?』って思ったんです(笑)。
そこで気になるのは、
実子が好きになってしまう担任の小田島(おだじま)先生。実子より20歳も年上で、どこか達観しているところがあって、おひげの似合う知的な雰囲気。もしかして松苗先生の通う学校にこんなカッコイイ先生が実在していたとか!?
「女子高を体験した者として言えるのは、小田島先生のような先生は現実にはいないということ(笑)。
じつは小田島先生は当時大人気だった映画『インディ・ジョーンズ』のハリソン・フォードをモデルにしたんです。インディ・ジョーンズが大学で教壇に立っているときのイメージですね。映画を観て、『なんてステキなの!?』って思ったんです(笑)。
すごくモテモテで、授業中に女子学生にウインクとかされるんです。そうすると女の子のまぶたにハートマークが描いてあるっていうシーンがあって、それがすごく印象に残っていて。たとえば実子が『先生、好き。うふん♥』みたいなオーラを出しているような子なら、こういう先生がいいわと思ったんですね。
実子はお父さんが亡くなっていてファザコンの気もあるだろうから、好きになるならだいふ年上の人なんじゃないかと思って、『よし、インディ・ジョーンズだわ』と。見た目はまったく似てないんですけどね。小田島先生はぜんぜん冒険家じゃないし(笑)」
確かに小田島先生はもっと線が細くて、インディ・ジョーンズのイメージとは違うけれど、大人のシブさ、大人の色気が漂うあたりは共通しているかも!?
「私自身は高校時代、まったく恋愛経験がなくて、ただの耳年増だったんですけど、現実に友達がつきあってる男子高校生を見てもぜんぜんカッコイイと思わなかったんです。
まんがに出てくる男の子に比べると、現実はもう本当にへなちょこで(笑)。
それにうちは職人の家で、高校卒業したての若い男の子たちが住み込みで修行してたんですね。そういう男の人たちを見ていると、同世代の男の子がとても子どもっぽく見えてしまって魅力を感じませんでした。小田島先生みたいな年上の男性との恋愛を描いたのは、そんな私自身の気持ちの反映だったのかも」
(取材・文/佐藤裕美)
*毎週木曜日更新予定
次回は9月4日 松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(3)