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宮川匡代
『ONE−愛になりたい−』
集英社文庫
<コミック版>全4巻
両親の離婚により、親戚の家にひとり身を寄せるさちよ。“幸せ”と縁遠い人生をおくっていた彼女がやっと見つけた“大切な人”。それは、同級生の拓実君。お互いに惹かれながらすれ違い、やっと結ばれたと思いきや恋敵や家庭の事情で仲を引き裂かれる……切なさや悲しみを健気に耐え忍ぶさちよの姿は号泣必至!!
試し読みする!!

宮川匡代profile
みやがわまさよ。3月10日生まれ。中学生の頃、友達と一緒にイラスト交換を始めたのがきっかけでまんがを描き始める。「その直後、その仲間の間で投稿がはやって。私は『92冊のあなたとわたし』という作品で『別冊マーガレット』からデビューしたんですけど、他にもふたりプロデビューしたんですよ(笑)」。現在、人気シリーズ『林檎と蜂蜜』を『クッキーボックス』、『ヘヴンリー・キス』を『コーラス』にて連載中。

1986年はこんな時代でした!!
●事件・出来事……スペースシャトル『チャレンジャー号』爆発事故。アイドルの岡田有紀子が飛び降り自殺する。チェルノブイリ原発事故。伊豆大島の三原山噴火。
●流行……『ドラゴンクエスト』発売。映画『子猫物語』『天空の城ラピュタ』が話題に。朝シャンが流行。『写ルンです』がヒット。
●ヒット曲……『雪國』吉幾三。『命くれない』瀬川瑛子。『CHA-CHA-CHA』石井明美。『仮面舞踏会』少年隊。
●流行語……「しあわせってなんだっけ〜♪」「亭主元気で留守がいい」「がんばりや〜蚊のかっちゃん」「家庭内離婚」

今後、登場予定の作品
■小花美穂
『こどものおもちゃ』
ほか多数

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
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■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
■池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
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■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
■多田かおる『イタズラなKiss』(2)
■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
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■柊あおい『星の瞳のシルエット』
■柊あおい『耳をすませば』
■柊あおい『銀色のハーモニー』

■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(1)
■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(2)

■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
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■吉住渉『ミントな僕ら』

■本田恵子『月の夜 星の朝』(1)
■本田恵子『月の夜 星の朝』(2)
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当時の女子中高生の9割がこの作品で涙したのでは!? そういっても過言ではないくらいブームを呼んだ“涙の名作”!! その作品の制作秘話を宮川匡代先生に伺いました。
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互いに惹かれあうさちよと拓実。しかし、その気持ちに気づいたときにはときすでに遅し……拓実はさちよがお世話になっている親戚の家の子である従姉妹の圭子(けいこ)とつきあうことになってしまった。気持ちを押し殺し“友達宣言”をするふたり。常にすれ違いでなかなか上手くいかない拓実とさちよの恋が切なすぎて泣ける!!
次々とさちよに襲いかかる不幸が
彼女の恋と作品をどんどん盛り上げていった!!
「私の“さちよ”は“幸せ”って書かないんだ」

中3のときに両親が離婚。一緒に暮らしていた母親が失踪し、親戚の家にお世話になることに。不幸な境遇にいる主人公の芳本さちよ(よしもとさちよ)。しかも、一緒に暮らす従姉妹と同じ男の子を好きになったり、それが原因で家を出ることになってしまったり……数え切れない不幸が彼女を襲う!! 「やっと掴めた」と思った次の瞬間には、指の隙間からポロポロと滑り落ちていくさちよの“幸せ”。

困難にぶつかっては健気にそれを乗り越えていく……さちよの姿に全国の女子が号泣!!
“涙の名作”として大ヒットを記録したのがこの『ONE−愛になりたい−』だ。

「大人になれば自分でなんでも決めることができるのに、自己責任で動けない10代の子はそうはいかない。このまんがは、そんなジレンマを抱えてもがくティーンエイジャーの恋愛を描きたいって想いからスタートした作品なんです。恋愛って障害があればあるほど燃えるから(笑)。その“障害”をたっぷり描いてみようかなって」

取材をすると「せっかく話を聞いたんだからあれも書かなきゃ」「これも書かなきゃ」とがんじがらめになってしまうので基本的にはしない。自分の経験からエピソードを引っ張ってくることもないし、登場人物にモデルもいない。「ストーリーは机の前で“想像力”のみで創り上げる」という宮川先生。さちよに次々と襲いかかる不幸もまた、その“想像力”で生み出したものなんだとか!!

「この頃は、夜中に原稿を描くことが多かったんですよね。夜って妙に気持ちがたかぶるじゃないですか(笑)。その典型が“夜に書いたラブレター”だと思うんだけど。変に熱があるものが生まれるっていうか。そんな“夜の力”が作用したからこそ、ウェットでエモーショナルな作品に仕上がったんだと思いますよ(笑)。最近はめっきり朝方で。日の出とともに目覚めてはウォーキングに出かけ、朝食を食べてからまんが制作に入る……そんな生活を送っているので。もう、こんなウェットな作品は生まれてこないんじゃないかな(笑)」

あんなところやこんなところに
隠された宮川先生の“こだわり”の数々。
作品のキーワードになっているのが登場人物の名前。“幸せ”という字を使わないさちよが幸多由幸(こうだよしゆき)先輩にむかってつぶやく「幸多せんぱいは名前にふたつ“幸せ”って字がついていていいな」なんて台詞や「さちよの“さち”はやっぱり“幸せ”って書かなかったよ」なんて台詞に胸を打たれた人も多いハズ!!

「当時はね、名前にはよくこだわっていたんですよ。さちよや幸多先輩のように、名前に意味を持たせた、そこからエピソードを広げることも多かった。最近は現実の名前のほうがスゴイことになっているから(笑)、あんまりこだわらなくなっちゃったんだけど」

ストーリーの舞台の中心となるのが水泳部であったり、校庭のスプリンクラーでの散水がさちよと同級生の拓実(たくみ)の恋を盛り上げたり……“水”にまつわるシーンが効果的に描かれているのもまた印象的だった。

「私のなかにひとつの法則があって。水と白衣と包帯は男をあげるんですよ(笑)。だから、私の作品にはこの3つがよ〜く出てくるの。こないだも『林檎と蜂蜜』で描いたんだけど、主人公の想い人がやたら怪我するっていう(笑)。『ONE−愛になりたい−』では“水”と“包帯”は描けたんだけど“白衣”だけは描けなかったんだよね。それが本当に残念(笑)」

また、読む人の心をグラグラ揺さぶったのが台詞まわし!! 「こんなに声 ひくかったっけ。こんなに手 大きかったっけ。こんなに……」「あつ……い 拓実くん 痛いよ…… 痛いよぉ……」言い切らずに“ためる”台詞がさちよの恋の切なさを盛り上げた!!

「当時は、饒舌に物語ったりするよりも“間”や“表情”で魅せていく“行間を読ませる”ようなストーリー展開を強く意識していましたね。なかでもこだわっていたのが登場人物の“言葉”。例えば“……”を入れる場所ひとつでも、かなり考えてから書いていましたよ。それをどこに入れるかでそのシーンのイメージがガラリと変わるんですよ」

*毎週木曜日更新予定
次回は8月7日 宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(2)


★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

宮川匡代『ONE−愛になりたい−』

また、上記の作品以外にも、取り上げてほしい懐かしい作品がありましたら、
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