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槇村さとる
『白のファルーカ』
集英社文庫
<コミック版>全4巻
天才スケーター・松本恵は、演技中のケガで、シングルの選手としては再起不能になってしまう。そんな傷心の恵とアイスダンスのペアを組むことになった樹里。強引な彼に最初は反発を覚えるが、やがてスケートに一途な彼に惹かれていく。情熱的なダンスとほとばしる愛が氷の上で炸裂する!
試し読みする!!
『白のファルーカ』第2巻の試し読みができます。
第1巻は、バックナンバーの『白のファルーカ』(1)で試し読みすることができます。

槇村さとるprofile
1956年、東京都生まれ。73年、『別冊マーガレット』でデビュー。79年、『愛のアランフェス』でブレイク。以降、ダンスやフィギュアに題材をとった作品を多く残す。90年からは『ヤングユー』に舞台を移し活動。働く女性の自立と葛藤をリアルに描き、女性の圧倒的な支持を得た。現在は『ユー』にて『Real Clothes』を連載中。代表作に『おいしい関係』『イマジン』『Do Da Dancin'』など。

1987年はこんな時代でした!!
●事件・出来事……国鉄民営化・JRスタート、利根川教授にノーベル賞、地価の異常高騰、竹下内閣発足
●流行……バブル、地上げ屋、NTT株、アサヒ・スーパードライ、電子手帳、通勤快足、朝シャン、ゴクミ、ボディコン、ハナキン、サラダ記念日
●ヒット曲……人生いろいろ(島倉千代子)、TANGO NOIR(中森明菜)、愚か者(近藤真彦)、百万本のバラ(加藤登紀子)、命くれない(瀬川瑛子)

今後、登場予定の作品
■小花美穂
『こどものおもちゃ』
ほか多数

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
■池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
■多田かおる『愛してナイト』(2)
■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
■多田かおる『イタズラなKiss』(2)
■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(2)

■柊あおい『星の瞳のシルエット』
■柊あおい『耳をすませば』
■柊あおい『銀色のハーモニー』

■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(1)
■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(2)

■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(3)
■松苗あけみ『続・純情クレイジーフルーツ』

■吉住渉『ハンサムな彼女』
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(1)
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(2)
■吉住渉『ミントな僕ら』

■本田恵子『月の夜 星の朝』(1)
■本田恵子『月の夜 星の朝』(2)
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少女まんがアーカイブ 何十年たっても忘れられないあのセリフ、あの場面。
そんな永遠の名作を、作者のインタビューや担当者の裏話などとともに紹介するコラムです。
トラウマと闘いながら愛を勝ち取っていく登場人物たちに、自分の姿を照らし合わせた槇村さん。「この作品で自分の過去に決着をつけたかった」というように、大きなメッセージがこめられた作品だ。悩み多き今の時代だからこそ、ぜひ読み返して、心の糧にしよう!
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憎しみを異母兄弟の恵に激しくぶつける海堂恩。「憎しみの権化の恩も、愛情深い樹里もみんな、私自身から出てきたキャラクター。だから最後に恩が泣いたときには、『あ〜あ、恩が泣いちゃったよ』としみじみしました。それにしても樹里ちゃんは本当にいい子。最後は恩まで許してしまうんだからね。偉い!」
自分の中にある憎しみと対峙するのは辛かった。
私がまんが家だから、それが可能だったと思います。
 アイスダンスのペアを通して、愛と憎しみを描いた『白のファルーカ』。天才肌だが、脆く、傷つきやすい恵(けい)。そんな彼を「愛」の世界へ引っ張って行こうとするのがヒロインの樹里(じゅり)だとすると、反対に「憎しみ」の世界へと引きずり込もうとするのが、恵の異母兄弟である恩(しのぶ)だ。

「恵以上に父親に憎悪を抱いている恩は、その憎しみをずっと言い続けるわけですけど、せっかくこんな悪役として登場したんだから、彼なりの理屈をちゃんと通してあげなきゃと思ってましたね。
 ただたいへんだったのは、それを描くために、私の中のあるどうしようもない父親への思いを何度も机の上に出して考えなければならなかったということでした。

 本当はそれはとっても辛い作業だと思うんですよ。カウンセラーの人がいるわけでもないし。以前に中森じゅあん先生にも、『普通はひとりではとてもできないですよ』と言ってもらったことがあります。

 だけど、やっぱり私がまんが家という仕事を持っていたからできた作業だと思う。それで暮らすとか、読者に渡すとか、そういう縛りがあったから、毎回、自分の憎しみをフタを開けて見ることができたと思います」

 そして度重なる試練に、樹里と恵は何度もくじけそうになりながら、最後には確かな愛と信頼を勝ち取る。そのとき、槇村さんはどう感じたのだろう?

「ホッとしました。自分自身もたぶん過去に決着をつけたかったんだと思います。でなきゃ、こんなヤバイ設定にしない(笑)。だから私にとってはとても大事な作品なんです」

ツユ草みたいな作家さんはツユ草みたいな絵を描く。
その作家の持ってる体が絵に入り込むんです。
 もうひとつ、この作品が槇村さんにとって、特別な意味を持つ理由がある。それは「これが『別マ』で描く最後の連載だと思って描いた」からだ。

「『N★Y(ニューヨーク)バード』の頃から感じていたように、読者が生きてる場所と自分が生きてる場所がすごく離れちゃったので、これ以上は難しいなと思っていたんです。それで最後に少女まんがでなければ描けないことを描きたいと思っていました。

 で、それは何かと言ったら、私の場合、見開きでフィギュアの会場とかを描きたいよねって思ったんです。会場がワーッとわく中で、主人公のペアがパーッと出てくる。これって少女まんがならではだろうなと思ったんですね。フィギュアスケートを描いたのはそういう思いもありました」

 ところで80年代の槇村作品の多くが、スケートやダンスなど、人の身体性に題材をとったもの。そのこだわりは今でも続いているだけに、人間の肉体に関する洞察は鋭い。たとえば、まんがとまんが家の肉体も連動しているのだと言う。

「ツユ草みたいな作家さんはツユ草みたいな絵を描くんですよ(笑)。つまり私は私の肉体を描いちゃうということがわかってきたんです。もちろんものすごく美しい人を描くときはモデルを見て描きますから、また別なんだけど、何気なく立ってる人を描いたときなんか、本当に嫌なんだけど、自分の背中とか足の形とか、そのまんま出ちゃうんです。普段それしか見てないから。

 だから自分の首とか肩とか、ガチガチに詰まっちゃうと、まんがも首に頭がうまく乗らないんですよ、本当に(笑)。つまりその人の持ってる体が絵に入り込むんだなと。

 で、作家としては、『このキャラクター、本当に生きてる!』っていう印象を読者に与える絵を描きたいわけですけど、そのときに自分の身体ができてなかったりすると、生きてる感がなくなってしまうんだと。だからまんがの登場人物たちをしなやかに動かしたいなら、まず自分の体を何とかしろっていうところに行き着きました」

 というわけで、今日もバレエのレッスンに通う槇村さん。最近のフィギュアスケートも観てますか?
「もちろん! 浅田真央さんも安藤美姫さんも素晴しいですよねぇ。そして20年前からは考えられないくらいスタイルがいい! 日本人って、すごい進化したよなぁと、しみじみしながら見ています(笑)。フィギュアスケートファンの方、ぜひ『白のファルーカ』も読んでみてください!」

*毎週木曜日更新予定
次回は5月 多田かおる『愛してナイト』『デボラがライバル』『イタズラなKiss』


★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

槇村さとる『愛のアランフェス』『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』『白のファルーカ』

また、上記の作品以外にも、取り上げてほしい懐かしい作品がありましたら、
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