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池野恋
『ときめきトゥナイト』
集英社文庫
<コミック版>全16巻
魔界人である蘭世が恋した人間の男の子・真壁俊は実は魔界の王子だった!? 蘭世のまっすぐな想いが胸に突き刺さる“第一部”。魔界人であることが世間にバレてしまい、姿を消す江藤家……長い時間を経て再会した鈴世となるみだが、また新たな“壁”が待っていた!? 衝撃の“第二部”。そして、蘭世と真壁君の子供・愛良は“魔女”として成長。幼い頃に出会った男の子・開陸(かいり)に運命を感じながら、その流れに翻弄される“第三部”。読み応えある名作!!
試し読みする!!

池野恋profile
1979年『HAPPY ENDものがたり』で「りぼん」よりデビュー。「幼い頃から絵を描くのが好きで。大学ノートに鉛筆で漫画を書いていた」という池野さん。「中学生のころ“大明神様”という占いをやったら“19歳で漫画家デビューする”って御告げが(笑)。“たかが占い”そう思いつつ“もしかしたら……”と19歳で初投稿。そしたら、本当にデビューしてしまったんです(笑)」『ときめきトゥナイト』以降も『ナースエンジェルりりかSOS』など大ヒット作を連発。現在『クッキーボックス』にて『ときめきミッドナイト』を執筆中。

1982年はこんな時代でした!!
●事件、出来事……500円硬貨発行。ホテルニュージャパン火災。エンジンの逆噴射により、日航機が羽田沖墜落。中曽根新内閣発足
●世相、話題……『笑っていいとも!』放送開始。CDが始めて発売される。『積木くずし』がベストセラーに。映画『E.T.』
●ヒット曲……『待つわ』(あみん)『赤いスイートピー』(松田聖子)『3年目の浮気』(ヒロシ&キーボー)
●ヒット商品……レッグウォーマー。CDプレーヤー
●流行語……「逆噴射」「ウッソー、ほんとー、かわいいー」「ほとんどビョーキ」

今後、登場予定の作品
■小花美穂
『こどものおもちゃ』
ほか多数

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
■池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
■多田かおる『愛してナイト』(2)
■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
■多田かおる『イタズラなKiss』(2)
■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
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■柊あおい『星の瞳のシルエット』
■柊あおい『耳をすませば』
■柊あおい『銀色のハーモニー』

■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(1)
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■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(3)
■松苗あけみ『続・純情クレイジーフルーツ』

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「この連載を始める直前までOLの仕事をしていたんですよ」という池野さん。「会社には漫画を描いていることは伝えていたので。広報誌に四コマ漫画を描いたり、年賀状に似顔絵を描く、なんてこともしてました(笑)」『ときめきトゥナイト』は「本腰を入れて漫画一本の生活を始めた」記念すべき作品でもあるんだとか!!
連載と同時にアニメもスタート!!
不安とプレッシャーで夜も眠れなかった。
江藤蘭世(えとうランゼ)は吸血鬼の父と狼女の母のもとに生まれた魔界人。正体を隠しながら人間界で暮らす彼女が恋をした!! 相手は中学のクラスメイトである真壁俊(まかべしゅん)。魔界人と人間という“許されない恋”の行方は…!?

連載がスタートすると同時に一気に人気に火がついた『ときめきトゥナイト』。
実はこの作品、連載と同時にアニメもスタート。ほぼ同時進行でストーリーが進んでいくという、当時としてはかなり斬新な新しいスタイルの漫画でもあったのだ!!

「新連載の打ち合わせで、当時の担当さんからいきなり“次の連載はアニメ化することになったから”と告げられたんですよ。私としてはもう目が点ですよね。“まだ内容すら固まっていないのに。この人は一体何をいっているのだろう?”と(笑)。そのときの私は、3回連載、5回連載と、短期連載を2本描いたことがあるだけの新人。新連載ってだけでも、まだまだ戸惑うことだらけなのに、そのうえアニメ化もついてきたんですから……ただただ動揺するばかり。何もわからないままに全てが進んでいく感じでしたね」

そのバタバタっぷりがよく表れていたのが新連載の“予告カット”。そこに描かれているのは……主人公らしき巻き毛のショートカットの女の子と、真壁くんらしき男の子、そして神父さんらしき男性の3人(笑)。
「いざ、フタをあけたら主人公は黒髪のロングの女の子。巻き毛の女の子も神父さんも出てきやしない。内容が固まっていないのがよくわかる絵ですよね(笑)

プレッシャーと不安でヘトヘトになりながらスタートした新連載。しかし「プラスになったこともたくさんあるんですよ」と池野さんはいう。

「アニメの制作チームとの打ち合わせからアイディアが生まれたり(神谷パパのキャラもそこで生まれた)。アニメ側の提案からストーリーが広がったことも。実は、魔界の王子アロンはアニメチームが生んだキャラなんですよ。それを漫画にも登場させたんです。アロンの登場がヒントとなり“実は双子だったという設定にしよう”“もうひとりの王子は真壁俊にしよう”……って新しい展開が生まれていったんですよね。アニメに刺激されて『ときめきトゥナイト』の世界観がどんどん固まっていったんです

アニメは途中からオリジナルストーリーへ。約1年間続き、原作とはまた違うラストを迎え放送を終了した。

「その1年間は無我夢中に描いていた感じだったので。アニメが終わったときは、正直、肩の力が抜けて気持ちが楽になったのを覚えています。“あ〜、これから何も気にせず自由に描けるんだ”って。相当、気が張っていたんでしょうね(笑)」

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アロンに命を狙われた真壁君に変身。身がわりになることで守ったことも!! “噛み付いたら変身する”という蘭世の能力。“くしゃみで元に戻る”のが池野作品らしい。「呪文って案もあったんですけど。ちょっと普通でつまらないなと思って。簡単に元に戻れる方法はないかって考えたときに思いついたのがくしゃみ。くしゃみならコショウをかければすぐ出るなと(笑)」
『ときめきトゥナイト』の出発点は
主人公・蘭世ではなく、その父・江藤望里だった!?
そもそも『ときめきトゥナイト』は“お父さんが吸血鬼”という設定からスタートした物語なんだとか。

「この作品を描く前に『ドラキュラ都へ行く』という映画を観たんです。その映画にインスパイアされて“こういうお父さんを描いてみたいなぁ”と思ったんですよね。それがきっかけとなり、まずは江藤望里(えとうモーリ)が生まれ、そこから“吸血鬼の父と娘という設定にしてみよう”と……どんどん世界が広がっていったんですよ」

幼い頃から「不思議な世界を描いた本を読んだり、映画を観たり……ファンタジックな世界が大好きだった」という池野さん。趣味で描き始めた頃の漫画にも「幽霊が出てきたり、死神が出てきたり……今作につながる要素がチラホラ出てくるんですよ」と笑う。

「漫画のなかでは、実際には出来ないことや言えないことも、キャラクター達が代わりに実現してくれる。それこそ、ファンタジーな世界も漫画のなかでは現実になる。それが漫画の面白いところであり、描く楽しみでもあるんですよね

飲んだら人を夢中にさせる“ほれ薬”や、飛び込んだら行きたい場所に辿り着ける“想いヶ池”、呪文を唱えると犬になってしまう神谷曜子(笑)……ファンタジックなアイテムや不思議な能力がたくさん出てくるのもまた『ときめきトゥナイト』の面白いところ。

「そういうアイテムや能力を考えるのは楽しい作業でしたね。なかでも特に楽しかったのが“たくさんある地下室の扉にどんな秘密を隠そうか”考える作業。“一瞬にして海外に行けたらいいなぁ”という想いが『ジャルパックの扉』を生んだり、“若返れたらいいなぁ”という想いが『鏡の間』への扉を生んだり……主に自分の願望が扉に反映されることが多かったんですけどね(笑)」

また、神谷曜子を犬に変身させる『レナニヌイ(逆から読むと“犬になれ”)』夢の中に入り込める『スマシタイマヤジオトイヨチ(逆から読むと“ちょいとおじゃまいたします”)』……作品の中に出てくる呪文は全てが逆さ言葉。一度上から読み、次に下から読み、二度楽しめるのも面白かった。

「第一話で望里が傘に変身するシーンがあるんですけど。その呪文がなかなか思いつかなくて。そこで、なんとなく“ポテトチップスが食べたいなぁ”というそのときの気分をそのまま逆さ言葉にしてみたんですよ。そしたらピタリとハマりまして(笑)。そこから“他の呪文も逆さにしちゃえばいいや”と(笑)。一応、第二話からは、呪文に意味を持たせるようにはしたんですけどね」

次々と明かされる“秘密”の数々。『ときめきトゥナイト』というタイトルにも実はこんな“秘密”が隠されていた!?

「予告カット同様、タイトルもまた、内容がちゃんと固まってない状況で考えなきゃいけなかったんですよ。そのときは“お父さんが吸血鬼”というバクゼンとしたストーリーしか頭になかったので、タイトルも全く浮かんでこなくって。電話で担当さんに“どうしよう”と相談したんです。そのとき、担当さんが洋楽のランキングかなんかを見ていたみたいで。そのなかに“ときめきトゥナイト”っていう邦題の曲があったみたいなんですね。そこで“これどうですかね?”と提案されて“あ、いいですね”と(笑)」

「軽いノリで決めてしまった(笑)」というタイトル。しかし、このタイトルこそが「この作品のカラーの決め手になった」とか!!

「“トゥナイト”っていえば夜ですよね。その“夜”のイメージが魔界や魔界人という世界観につながっていったんですよ。ここで違う曲名をタイトルにしていたら、また違う作品が出来上がっていたかもしれないですね」

*毎週木曜日更新予定 次回は10月4日 池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

池野恋『ときめきトゥナイト』

また、上記の作品以外にも、取り上げてほしい懐かしい作品がありましたら、
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