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くらもちふさこ
『天然コケッコー』
集英社文庫
<コミック版>全9巻
中学生・そよが暮らす、田舎の小さな村に東京からの転校生・大沢くんがやってくる。口の悪い都会者の大沢くんに、反発を感じながらも興味津々のそよ。一方、初めは田舎をバカにしていた大沢くんも、次第に村の生活に馴染んでいく。だんだんと接近していくふたりの淡い恋模様をのんびりとした自然の中でさわやかに描く田舎ライフの決定版!
試し読みする!!

くらもちふさこprofile
1955年5月14日、東京都生まれ。1972年、17歳のとき、『メガネちゃんのひとりごと』で、別冊マーガレットよりデビュー。高校卒業後、武蔵野美術大学造形学部に入学。日本画を専攻するが中退し、本格的にまんがの世界へ。思春期の女の子の恋愛を等身大かつ、リアルに描き、少女まんがのルーツを作った。

1994年はこんな時代でした!!
●事件、出来事 村山政権誕生、松本サリン事件、大江健三郎がノーベル賞受賞
●世相、話題 就職氷河期、価格破壊、マジソン群の橋
●ヒット商品 プレイステーション、ドンタコス
●ヒット曲 イノセントワールド(ミスチル)ロマンスの神様(広瀬香美)恋しさとせつなさと心強さと(篠原涼子)
●流行語 同情するなら金をくれ、ヤンママ

今後、登場予定の作品
■小花美穂
『こどものおもちゃ』
ほか多数

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
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■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
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■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
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■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
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■柊あおい『星の瞳のシルエット』
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■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
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名作がいっぱい!集英社コミック文庫

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田舎街を舞台に描かれる『天然コケッコー』。方言で綴られるセリフの数々、美しい自然の描写、そしてゆったりと流れる時間は、私たちに元気と癒しをもたらしてくれる! 映画も全国順次公開中!!
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普段は大雑把で、あっけらかんとしているそよが、せつせつと大沢くんへ思いを伝えるシーンは感動もの。「好き」とか「愛してる」とか言わなくても、その気持ちの大きさが伝わってくる。「そよと正反対の篤子(あっちゃん)は、この作品の通訳者。すっごくわかりやすい性格なので、物語の潤滑油になってくれるんです」
『天コケ』は、徹底してキャラクターを描いてみたい、
今までのスタイルを壊したい、という思いから誕生。
 学園もの、芸能もの、とつねに自分の今までの作品を裏切るかのように、あえて新しいジャンルに挑戦しつづけてきたくらもちさん。

 90年代、大ヒットした『天然コケッコー』もこれまた意外性に富んでいた。くらもちさんといえば、都会的でスリリングな展開のものが多かったのが一転、のんびりと田舎街を描いた作品だったからだ。

 舞台は“木村”という田舎街。中学生・そよの視点から、家族や村の人たちの暮らし、そして東京からの転校生・大沢くんの姿が描かれるというほのぼのとしたスートーリー。

 木洩れ日がまぶしい青々とした自然。個性あふれる村人たち。まるで止まってしまったかのような、ゆっくりと流れる時間。読んでいるだけで、癒されてしまうような空気感にあふれている。

 しかし「じつは田舎を舞台に、という発想から始まったものではなかった」というから驚きだ。

「デビュー以来、ずっとめりはりのある作品を描いてきたわけですが、ドラマチックなストーリーの引き出しがなくなってしまった、という感じがあったんですね。

 年齢的にも落ち着いてきたし、そろそろ別のことがしたい、今までの自分のスタイルを壊してみたい、と考えたときに、まず最初に思ったのが、ちゃんとキャラクター作りをしたものを描いてみたい、徹底してキャラクターを描いてみたい、ということでした。

 そしてある程度の期間、じっくり描いていくなら、得意ジャンルがいいだろうと思ったんですね。それで学園ものにしようと思ったんです。

 最初は30人のクラス一人一人を順番に主人公にして描いていくのはどうだろう? とも考えました。でも、30人全部は難しい。私には描き切れない。だとしたら人数を減らすしかない。それで過疎地の学校、という発想になったんです」

舞台のモデルはくらもちさんの田舎・島根県の石見。
取材で通ううちに、村への愛がさらにふくらんだ。
 そして舞台は、くらもちさんの母方の田舎である島根県の石見(いわみ)をモデルに描かれた。「最初は知らない土地を舞台に描こうと思ったんですけれど、資料の写真を見てもぜんぜんイメージが湧いてこない。それでやはり自分が知っている土地がいいだろうと、急きょ、取材し直しに行ったんです。

 石見は小さい頃、夏休みなどによく遊びに行ってましたけど、知ってるのは母の実家の界隈だったので、取材ではずいぶんあちこち周りました」

 じつはこの石見という場所、相当の田舎。東京からはかなり時間がかかるらしい。

とりあえず広島まで行って、広島からバスで2時間。そしてまた歩く。7時間くらいかかるんじゃないかな。外国にぜんぜん行けますよ(笑)。

 東京行きの飛行機が1日に1便あるんですけど、なぜか朝6時台の便で、石見から、その時間には空港にたどり着けないという不思議な時間設定なんです(笑)」

 でも、繰り返し石見を尋ね、取材を重ねるうちに、「そんな田舎がどんどん愛しくなっていった」とくらもちさん。

「お世辞ではなく、田舎っていいなと思うようになりましたね。もちろん田舎暮らしのたいへんなところもあると思いますけど、自然がたくさんあって、村の人たちは暖かくて……。今すぐは無理でも、将来、住むことができたらいいなと思うほど。そんな私の気持ちをそよをはじめ、村の人たちに代弁してもらってるんです

 くらもちさんが描く木村がきらきらと輝いて見えるのは、そんな田舎への愛にあふれているからなのだろう。(つづく)

*毎週木曜日更新予定 次回は8月9日 くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

くらもちふさこ『いつもポケットにショパン』『おしゃべり階段』『東京のカサノバ』『天然コケッコー』

また、上記の作品以外にも、取り上げてほしい懐かしい作品がありましたら、
作品名と感想をお書き込みください。
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