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くらもちふさこ
『東京のカサノバ』
集英社文庫
<コミック版>全2巻
高校2年生の多美子は、カメラマンの兄・暁と、今でも一緒のベッドで寝てしまうほどの仲良し。モテモテの兄がつきあう女性たちのことが気になってしょうがない。しかし暁には意外な出生の秘密が隠されていた。華やかな芸能界に隠されたゴシップによって、ふたりの運命の歯車は意外な方向へと回り始める!
試し読みする!!

くらもちふさこprofile
1955年5月14日、東京都生まれ。1972年、17歳のとき、『メガネちゃんのひとりごと』で、別冊マーガレットよりデビュー。高校卒業後、武蔵野美術大学造形学部に入学。日本画を専攻するが中退し、本格的にまんがの世界へ。思春期の女の子の恋愛を等身大かつ、リアルに描き、少女まんがのルーツを作った。

1983年はこんな時代でした!!
●事件、出来事 田中角栄元首相に実刑判決、ディズニーランド開園
●世相、話題 愛人バンク、カフェバー、貸しレコード
●ヒット商品 ファミコン、六甲のおいしい水、パックンチョ(菓子)
●ヒット曲 ワインレッドの心(安全地帯)探偵物語(薬師丸ひろ子)
●流行語 おしん、義理チョコ、ジャパゆきさん、にゃんにゃんする

今後、登場予定の作品
■小花美穂
『こどものおもちゃ』
ほか多数

バックナンバー
■紡木たく『ホットロード』(1)
■紡木たく『ホットロード』(2)
■紡木たく『みんなで卒業をうたおう』
■紡木たく『瞬きもせず』

■くらもちふさこ『おしゃべり階段』『いつもポケットにショパン』
■くらもちふさこ『東京のカサノバ』
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)
■くらもちふさこ『天然コケッコー』(2)

■いくえみ綾『POPS』『彼の手も声も』
■いくえみ綾『I LOVE HER』
■いくえみ綾『バラ色の明日』(1)
■いくえみ綾『バラ色の明日』(2)

■池野恋『ときめきトゥナイト』(1)
■池野恋『ときめきトゥナイト』(2)

■一条ゆかり『有閑倶楽部』(1)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(2)
■一条ゆかり『有閑倶楽部』(3)
■一条ゆかり『デザイナー』
■一条ゆかり『砂の城』

■岩館真理子『えんじぇる』
■岩館真理子『遠い星をかぞえて』『子供はなんでも知っている』
■岩館真理子『黄昏』

■亜月裕『伊賀野カバ丸』(1)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(2)
■亜月裕『伊賀野カバ丸』(3)

■尾崎南『絶愛-1989-』
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(1)
■尾崎南『BRONZE-ブロンズ-ZETSUAI since 1989』(2)

■槇村さとる『愛のアランフェス』(1)
■槇村さとる『愛のアランフェス』(2)
■槇村さとる『ダンシング・ゼネレーション』『N★Y(ニューヨーク)バード』
■槇村さとる『白のファルーカ』(1)
■槇村さとる『白のファルーカ』(2)

■多田かおる『愛してナイト』(1)
■多田かおる『愛してナイト』(2)
■多田かおる『デボラがライバル』
■多田かおる『イタズラなKiss』(1)
■多田かおる『イタズラなKiss』(2)
■多田かおる『イタズラなKiss』(3)

■宮脇明子『ヤヌスの鏡』(1)
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■柊あおい『星の瞳のシルエット』
■柊あおい『耳をすませば』
■柊あおい『銀色のハーモニー』

■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(1)
■宮川匡代『ONE−愛になりたい−』(2)

■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(1)
■松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ』(2)
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■松苗あけみ『続・純情クレイジーフルーツ』

■吉住渉『ハンサムな彼女』
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(1)
■吉住渉『ママレード・ボーイ』(2)
■吉住渉『ミントな僕ら』

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■本田恵子『月の夜 星の朝』(2)

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名作がいっぱい!集英社コミック文庫

少女まんがアーカイブ 何十年たっても忘れられないあのセリフ、あの場面。
そんな永遠の名作を、作者のインタビューや担当者の裏話などとともに紹介するコラムです。
歌手や女優などが登場するきらびやかな芸能界もの『東京のカサノバ』。アイドル全盛期だった80年代が懐かしく思い出される作品。カッコイイ男子率が高いのもうれしい!
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カメラマンの暁は、師匠である女性、撮影で出会ったアイドル……と、出会った女性のハートを次々とワシづかみ。積極的にアプローチしなくてもモテちゃうところは、まさに天性のカサノバ。「ただ当時、読者からは『こういうプレイボーイは支持できない』という意見もあって(笑)、そこらへんのバランスは難しかったですね」
好奇心から描き始めた芸能界ストーリー。
テレビ局の楽屋取材で、キョンキョンとも対面。
 80年代に入ると、くらもちさんの作品は、学園ものに加えて、芸能界を舞台にしたまんがが増えていく。

「若かったので、芸能界って、ちょっとおもしろそうな世界だなという好奇心から描いたんです。そうしたら評判がよかったので、いくつかやることになったんですけれど、当時は『芸能界ものと言えばくらもち』と言われていました(笑)。

 ただ芸能界そのものを描きたいというわけじゃなくて、たとえば『アンコールが3回』という作品は、歌手とマネージャーの関係を描きたかった。ずっとかわいがってくれていたマネージャーが、他の歌手についてしまったときの嫉妬とか。

 まんがで言えば、まんが家と担当編集者。野球で言えば、ピッチャーとキャッチャー。そういう関係って、ちょっと不思議な絆がありますよね。それを芸能界バージョンで描いてみたくて始めたんです」

 業界ものを描くにあたって、裏方の取材もしたそう。

一度、テレビ局の楽屋を取材したときに、当時、トップアイドルだった小泉今日子さんがいらして、ちょっとお話させていただいたことがあります。

 キョンキョンのスタイリストさんにも、いろいろな裏話を聞いたりして、そういう会話のひとつひとつがすごくおもしろかったですね。

 華やかな世界の裏側が垣間見れて勉強になりましたね」

 こうして誕生した数々の芸能界ものの中でも、『東京のカサノバ』は人気の高い作品だ。

 主人公の多美子(たみこ)は、高校生になった今も兄・暁(あきら)と同じベッドで寝ているほどのブラコン。そんな彼女の気持ちを振り切るように、暁はその不思議な魅力で、周囲の女性を次々と魅了する。ジェラシーを抱き苦しむ多美子だったが、じつは暁は本当の兄ではなく、ある大物女優の隠し子だったことが明らかになる……というドラマチックなストーリー。

現代版の光源氏が主人公の『東京のカサノバ』。
田辺聖子さんの恋愛小説にインスパイアされた!?
 このまんがの見どころは、なんと言っても、暁の天性のカサノバぶり。男っぽくて、でも甘えじょうずで、軽やかにしなやかに、女たちをとりこにしてしまう暁に、本気で恋しちゃった人もいたはず。その色気度の高さは、それまでのくらもち作品に登場する男性像をくつがえした。

「『東京のカサノバ』では、現代版の光源氏を描きたかったんです」とくらもちさん。

「カッコイイ男性の究極。それも表面は明るいんだけれど、どこか暗い部分も抱えているような男の子。そういうものを描きたいと思っていたんですね。

 タイトルを決めるとき、“プレイボーイ”っていう言葉はなんか違うなぁと思っていろいろ見てたら、映画雑誌のスクリーンに『カサノバ』という言葉をみつけて。その文字をみつけた瞬間、『あっ、これだ!』と運命的なものを感じました」

 じつはこの作品を描くにあたって、大きなヒントになった本があった。田辺聖子さんの『愛してよろしいですか?』という小説だ。

「年上の女性と年下の男の子の恋愛小説なんですけれど、私、あんなに一気に小説を読んだのも初めてだったし、登場人物の男の人にホレたのも初めてだったんです(笑)。それでものすごいイメージをかきたてられて、その興奮冷めやらぬうちに、暁のキャラがどんどん出てきちゃったんですよね。

 もちろん『愛してよろしいですか?』に出てくる男の子と暁は、まったく違うキャラクターなんですけれど、ものすごくインスパイアされたことは確かです。何かに影響されて描いた作品って、後にも先にも『東京のカサノバ』くらい」

 そして、これがまんがに描く男性像の大きな転換にもなったそう。

ただカッコよかったり、やさしいだけじゃなくて、どこかダーティな部分、マイナスな部分も抱えている男の子。そういう男性を描きたいと思うようになりました

 光源氏同様、時を越えてもカッコイイものはカッコイイ! 生活に艶っぽさが不足しているあなた。久し振りに暁の色気に振り回されてみよう!!

*毎週木曜日更新予定 次回は8月2日 くらもちふさこ『天然コケッコー』(1)

★以下の作品について、感想、当時の思い出などを募集しています。

くらもちふさこ『いつもポケットにショパン』『おしゃべり階段』『東京のカサノバ』『天然コケッコー』

また、上記の作品以外にも、取り上げてほしい懐かしい作品がありましたら、
作品名と感想をお書き込みください。
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