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荒金久美(あらかね・くみ)
東京大学大学院薬学系研究科修士課程を修了後、1981年、株式会社(小林)コーセーに入社、研究所に配属され、香粧品の分析化学研究、皮膚科学研究、薬剤開発研究を担当。1997年、東京大学にて薬学博士の学位取得。2004年4月より現職。著書に『夢・科学21 活性酸素』(日本化学会・監修)がある。「『働く女性の交流ができるサイト』というのがあればいいのにな、と思います。上の立場にある他業界の女性が、日々どういうことを考えながら仕事をしているのか、その社をとりまく状況はどんななのか……。ぜひ伺ってみたいみたいですね」
 
コーセーのサイトはこちら
カメラ/関 俊也
インタビュー・文/s-woman.net 編集部
この人の「お気に入り」サイト
「企業にお勤めの女性の愛用サイト」を伺うコーナーに今回ご登場いただいたのは、化粧品メーカー「コーセー」で、入社以来、化粧品の効能・効果の研究に携わり、この4月からは、さらに広い見地から「商品開発部」の部長をお務めの荒金久美さんです。
「確かに理系出身ですが、機械はあんまり得意ではないんです(笑)。といっても、インターネットの世界が、研究者の世界をも広げたのは事実。かつては、世界でどんな研究が行われているかの文献検索は、コーセーならば社内の学術部に依頼したり国会図書館に出かけたりしなければなりませんでした。ところがインターネットですと、検索の時間が大幅に短縮できる。また、それだけではありません。世界中の研究者が自分の研究内容をネットで公開する、それを見た他の分野の研究者が『あなたにはAという知識があるのだから、Bという知識を持っている私と組んで、新たな研究をしませんか?』という誘いをかけるといった、それまでの検索方法にはなかった『出会い』を生むようになったのです」
 そんな荒金さんが「出合った」サイトのうちご紹介いただいたのは、次の4つ。中には研究者向けのものもありますが「へぇ〜、世の中にはこういうのもあるんだ〜」という興味をもつのもおもしろいはず。どうぞご覧ください。
no1  「温泉の旅」 http://www.joy.hi-ho.ne.jp/ma0011/
 
「私、大分県別府市の出身なんです。知らない方も多いかもしれませんが、別府は世界一源泉数が多く、日本一湧出量の多い温泉(編集部注:ちなみに世界第2位。第1位は、米・ワイオミング州イエローストーン国立公園)。実家は旅館でもなんでもないんですが、お風呂に温泉がひいてあります。近所の人と共同で掘って、権利を市から買ったんです。別府だからといって、のべつまくなし掘れば温泉が湧く、ということはありませんが(笑)、実家の周辺は出やすいエリアだったんですね。
 だから、温泉は私にとってとても身近な存在。そこでおすすめしたいのが、このサイトです。効能や歴史などの説明がわかりやすく魅力的で、読んでいるうちに『おもしろそうだな』『行ってみたいな』、そう思わせられます。デザインもすっきりと見やすく、また『温泉番付 人気ランキング』など、興味をそそられるページや検索機能も充実しています。
 温泉地は、かつては何もしなくてもお客さんが寄ってきた。でも今では、有名なところでもブランド戦略やターゲットに応じての経営努力が必要になってきています。化粧品と同じですね。サイトなどによる売込みもそのひとつ。だから、別府温泉の観光協会にも、こういうすぐれたサイトを見ることで、どういう風にアピールすればいいのか、もっと勉強してほしい、と思うくらいです。
 ただ、残念なのは、ここには別府温泉が載っていないこと。多分、管理人の方が東日本を中心に温泉めぐりなさっているからだと思うのですが。ぜひ次は別府をお願いします!」
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「やきものネット」 http://www.yakimono.net/  no2
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「和食器が大好きです。日本全国で買い込んできたものがたくさんありすぎて、以前、引越し屋さんが『とても夫婦2人で使う量じゃない』と絶句したほど(笑)。器は、見て楽しむタイプではなく、使って楽しむタイプ。100円ショップのもので事足りるときに自分が気に入った器を使う、ここに『真の生活の豊かさ』を感じることができるような気がします。以前は高級料亭にしか卸していなかった窯元のすばらしい作品を、時代が変わったために、私のような個人客が手に入れられるようになってきたことも嬉しいですね。
 このサイトをよく見ているのは、全国の美術館やギャラリーで開かれる陶磁器の展示会情報が充実しているから。器を通販しているサイトはよくあるけれど、こういう総合サイトってあまりないんです。器は必ず実際に手にとって、気に入ったものを選びたい私にとって、とても便利。また、おしゃれなサイトデザインも気に入っています。
 陶磁器との出合いは、学生時代。教師をしている父の同僚だった方が独立して画家になったり、教え子さんが窯元に嫁いだりして、そのかたたちが大学進学で東京に出てきた私に、日展などさまざまなチケットをくださったんです。そのことがきっかけで、展覧会通いを始めました。このサイトで見つけたギャラリーに足を運ぶこともありますし、日展は今でも欠かしません。
 また、同じく陶磁器が趣味の主人とともに、九州・有田の陶器市などを泊りがけでめぐったりもします。『予算、どこまで買っていい?』なんて相談しながらなので、和食器が余計にどんどん増えるんですが(笑)」
 

no3  「宝塚歌劇公式ホームページ」 http://kageki.hankyu.co.jp/
 
「子供の頃、宝塚に入りたかったんですが、試験に通りそうなのは身長だけで、歌も踊りもダメ。受験するまでには至りませんでした。私、もし『どんな職業にでもつける』という夢が叶うなら、迷わず、宝塚の男役トップスターですね。ノーベル賞を取らせてあげましょう、って言われても断りますよ(笑)。
 好きなのは、ダンスの上手なかた。一番好きなのは、かつて花組だった大浦みずきさんです。彼女はダンスの名手として本当に名高かったけれど、演技や歌の評価はいま一つで、『トップは難しいだろう』と当時ウワサされていました。そこをがんばってトップにまで上り詰めた努力の人。また、背は高いのに腰が低い(笑)のもステキです。実は大浦さん、コーセーが主催するトークショー『コーセー アンニュアージュトーク』に、よく出演していただいているんです。その関係で初めてお会いしたときには『ああ、コーセーに入社して本当によかった〜』と、しみじみ思いましたね。
 という訳で、『宝塚歌劇』のサイトをおすすめに挙げたいと思います。夕方以降はアクセスが集中するためか、非常につながりづらくなるのですが、公演スケジュールを知ったりするには、やはりここが一番確実です。最近は、劇場まで足を運ぶ機会がなかなかないのですが、『誰がトップになるか』という人事面が気になるので、その辺もチェック。私が早いうちから目をつけると、トップになることが多いんですよ。周囲には『見る目がある』とも『単なるミーハー』とも言われています。今、気になっている人は…内緒(笑)」
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「ReaD 研究開発支援総合ディレクトリ」 http://read.jst.go.jp/   no4
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「最後に、私の仕事に関するサイトを紹介させてください。比較的最近見つけたんですが、『さまざまな研究についての検索サイト』です。これに出合うまで、『研究者のデータを網羅したサイト』というのがなくて、各大学・大学院や企業、専門雑誌のサイトにアクセスして、そこから探るしかありませんでした。でもこのサイトは、研究機関の情報が調べられるほか、各研究者の研究テーマ、論文名、所属学会、連絡先やホームページまですぐに検索できるシステム。独自のサイト作りに力を入れている研究機関や企業は対応もいいですから、こちらがメールで連絡したりすると、すぐに返事をくれるところも助かります。
 また、最近は、各大学・大学院の研究室がサイトに力を入れているのも特徴的です。自分たちの研究をきちんと紹介(宣伝)することで、その研究に興味を持つ、より優れた人材を集めよう、というのがその目的。実際、以前は東大の大学院なら東大の卒業生ばかりだったものが、さまざまな大学の卒業生が集まってきているそうです。この研究検索サイトは、そんな学生たちのきっかけ作りにもなっているのではないでしょうか」
 荒金さんはインタビューの最後にこうお話くださいました。
「以前、ある会社の女性重役の方に関する話を聞いたんですが、彼女曰く『就職活動をしている人たちは、どの業界が安泰だからとか、企業の有名度で進路を定めがち。そうではない。自分が本当に好きなのは何か、何を社会でやりたいのか、そこから就職先を決めるべき』。私も、かつて『自分がやりたいことがあったから』コーセーに入りました。だからこそ、この女性がおっしゃることと同じことを、後輩たちに伝えていきたいですね」
 

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