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仲良しの家具屋のトラックが、3冊目となるカタログを出した。
そのカタログがうちに届いて見てすぐに、「ものすごくいいカタログやなあ」と電話したぐらい、いいカタログだった。その良さはひと言ではとても表現できないし、友達だから気恥ずかしいので、言わないけど、でもとてもうれしい本だった。
それからそれをソファやテーブルやトイレでパラパラめくっていて、なんともいい椅子を発見してしまった。
ちぇ、なんだよ、いーもん作るなあ。これは欲しいなあ。
事務所でも家でも、椅子自体はどう考えても足りている。どころか、居住アンド就労人員と、出入りする人の数から考えたら、余るぐらいある。だから必要かといえばまったく必要じゃない。でも欲しい。
それからずっと、その椅子のことがアタマの隅にあった。
その後たまたまトラックのふたりと一緒に旅をした時に、ついに言ってしまった。
「あのカタログに出てた、木のひじ掛けついてて背中に鋲が打ってある椅子、あれかなり気になってんねん。だからそのうち頼んでしまうなあ。いややっぱりもう帰ったらすぐ手配して」。
そうしたら黄瀬くんは、国際電話もものともせず、旅先からすぐに店に電話を入れて、帰国するまでに着くように手配してくれた。わははは。対応早いな。
で、帰国したらほんとうに届いていた。
木とコール天の張り地のかんじ、座った時の景色、やわらかさ、かたさ、どこを取ってもうれしい。
人間工学を研究しつくして計算したおして作った椅子は長時間座っていてもまったく疲労を感じないかもしれないけれど、だからってうれしいかといえば別にうれしくない。
でも今ここにあるおっさんグリーンのコール天の椅子は、人間工学とか計算とか、腰骨の位置とか脊椎の角度とか、負荷の推移とか姿勢の変換とはあんまり関係ないけれど、でもホッと気持ちに訴える、うれしい椅子だ。
うれしい椅子がある方が、うれしい椅子がないよりも、毎日がうれしくなる。単純なことです。 |
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