

そののびやかな歌声で、多くの人を魅了する伊藤由奈さん。そんな彼女の待望のファーストアルバム『HEART』が、先日発売されました。今回のアルバムに込められたテーマは「等身大の自分」。歌詞の中にも23歳のリアルな彼女が散りばめられていて、思わず「そうそう!」とうなずいてしまう女性も多いはず。もちろん、映画『NANA』、『NANA2』の劇中歌として、大ヒットを記録した『ENDLESS STORY』、『Truth』の2曲も収録されています。まずは、大ヒット作の続編として話題を集めた映画『NANA2』撮影時の様子を振り返ってもらいました。
――今、改めて映画『NANA2』の撮影を振り返ってみて、いかがでしたか?
『NANA2』では、『NANA』のときよりもリラックスして、レイラ役にスッと入れたかなって気がします。トラネスのメンバーの玉山鉄二さん、水谷百輔さん、姜暢雄さんと私の4人で、スコットランドロケに行ってきたんですけど、みなさんには仲良くしていただいて楽しい思い出になりました。撮影をしたお城の近くには自然がたくさんあって、ラズベリーの茂みや小さいリンゴの木が植えてあったんですよ。現地のスタッフの方から「食べてもいいですよ。どうぞ」って言われたので、「本当ですか? 全部食べちゃいますよ!?(笑)」って取って食べてみたら、自然の甘みがあっておいしかったんです。レン役の姜さんに「ラズベリーとリンゴを取りに行きましょう」って誘ったら、「いいよ。どこにあるの?」って一緒に取りに行ってくれたりして。原作でもレイラとレンって仲いいじゃないですか。そういうところが原作と似てるなあと思って、撮影の合間もレイラになった気持ちでいましたね。でも、気がつくと、スタッフが私のこと探してたりして(笑)。
――「レイラはどこに行ったの!」って?
そう。帰ってきて「見て〜〜!」ってリンゴを見せたら、「(呆れ顔で)どこ行ってたのよーっ!」みたいな(笑)。ちょっと、プライベートのレイラに似てません!?
――似てるかも! 原作でも、周りのスタッフは心配しているのに、レイラ本人はいたって無邪気だったりしますもんね。由奈さんは『NANA』の原作は、読んでいたんですか?
ハワイの高校生だったとき、友達に「このマンガおもしろいよ!」って勧められて、生まれて初めて読んだマンガが『NANA』でした。本読むのは大好きなんですけど、マンガは最初どう読んだらいいのか、コマやセリフの読む順番がわかりませんでしたね(笑)。
――印象に残ってるシーンはどこですか?
けっこういっぱいあるんですけど、特に印象に残ってるのは、レイラのセリフ。「私は歌を歌えればいい」っていう場面にグッときました。細かいセリフまでは覚えてないんですけど、「歌が歌えれば、それだけでいい。他のものは全部いらない」というようなことを言ってて、“……だよね”って共感しました。その後、映画の出演が決まって、レイラという役をいただいてから、改めて読んだのが20か21歳のときで、“私は、この人なんだ”っていうのを思い描きながら、もっともっと深く読み直しましたね。
――他にも好きなシーンはありますか?
プライベートなレイラ! 私の周りのスタッフって、ほとんど男性なんですね。たとえば(と、ここで履いていた黒のピンヒールを脱いで、手に取り)「私、最近これ買ったの〜♪ どう? かわいくな〜い!?」って見せても、「(クールに)ああ、そうだね」みたいな答えしか返ってこないんです。「わっ、テンション低いっ! もうっ、男ってつまんなーいっ!!」って、ひとりでふくれてたりしてね。で、ひとりでワーッて騒いでると、 “何の話?”って白い目で見られたりして……。
――女の子としては、そっけない反応だとちょっと寂しいですよね。ここでそういうことを言っても、周りの方の反応は変わらないんですか?(笑)
(それでもクールな男性スタッフたちの顔を見回して)ねっ、変わらないでしょう? でも、もう慣れちゃった♪
――じゃあ、レイラ以外に好きなキャラクターはいますか?
ひとりひとりキャラクターがしっかりあるので、うーん……シンちゃんがかわいい♪ 中島美嘉さんが演じたナナも、カッコいいです。
――映画『NANA2』ではシンとレイラのシーンが少なくて、ちょっと残念でした。
ええーっ! 無理ですっ!(笑) 私が演技をしてるシーンは多くはなかったんですが、それでも苦労しましたから。セリフの中に「タクミの現地妻」って言葉があったんですけど、何回も口にするうちに“イントネーション、これで合ってるのかな?”って心配になってきちゃって。玉山さんに「私、大丈夫ですか?」って何度も確認してました。歌うパフォーマンスではなく、言葉にエモーション、気持ちをのせるのって難しいなあって思いましたね。
――言葉に気持ちを込めるという意味では、歌うことと演じることでは共通する部分もあるような気がしますけど、やっぱり全然違うものですか?
そうですね。メロディーが無いっていうのが、すごく難しかったです。
――今後も映画や舞台など、お芝居に挑戦してみたいですか? たとえば、ミュージカルとか?
ミュージカルだったら、歌うからいいですよね! 私、普段の生活の中でも、思ったことを歌ってたりしますから。「♪○○さんは〜、雨男〜」とかね(笑)。(近くの男性スタッフの1人が、「えっ!?」と顔を上げる。)
撮影/武重 到 取材・文/都丸優子