

東野圭吾(ひがしの・けいご)
1958年大阪市生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら小説を書き、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。その後執筆に専念、99年に広末涼子主演で映画化された『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。主な作品に『白夜行』『レイクサイド』など。近刊として『殺人の門』がある。
東野圭吾公式サイト
http://www.keigo-book.com/ |
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東野圭吾・作
集英社・刊
定価:1890円(税込)
ISBN:4-08-774668-2
“阪神淡路大震災”の混乱の中で出会った男と女。男は女に魅入られるように、その影となる。「幻の夜」を歩みつづける二人に、一人の男が近づいてきて…。『白夜行』の世界を凌ぐ、長編傑作! |
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東野圭吾・作
集英社・刊
単行本定価:1995円(税込)
ISBN:4-08-774400-0
文庫本定価:1050円(税込)
ISBN:4-08-747439-9
悪の吹きだまりを生きてきた男。理知的な顔だちの裏に、もう一つの顔を持つ女。偽りの昼を生きた二人の人生を、“質屋殺し”を追う老刑事の執念に絡めて描く。ミステリの枠を広げた一大叙事詩。 |
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『白夜行』も『幻夜』も、ストーリーのあちこちに時代の記号が盛り込まれている。スーパー・マリオ。阪神・淡路大震災。カリスマ美容師。そのせいだろうか、「もしかして、こんなことホントにあったんじゃないか……」というリアリティが迫ってくる。
「そのときどきの時事問題を取り入れてストーリーに関連づけていくのは好きなんです。たとえば『幻夜』の最初のほうで起きる異臭事件。あれは地下鉄サリン事件のあと、類似の事件がいくつかあったので、これにしようと。そうすると、それがエンジンになってスムーズにアイデアが浮かんでくるんです。世の中のできごとの合間をくぐりぬけて、ストーリーを作っていく感じかな」
「作品のアイデアを考えるとき、必要なら取材もします。でも常日ごろ、いろいろな人に会ったり、経験するようにしているんです。たとえば以前、陶芸の入門ビデオに出ました。何人かの作家が陶芸に挑戦して、その様子を入門ビデオにするというもので、僕はろくろをやりたいと希望したんです。ろくろは一番たいへんで、1日5〜6時間、最低5〜6回はトレーニングしないとできない。苦労したけど、それなりに作れるようになりました。僕は言葉で人から聞くより、実際、自分で触って体験して初めて実感できる。今回、『幻夜』ではそのときの知識を使っています。それから主人公の雅也は職人ですが、うちの親父が彫金師。僕もよく工作機械をうちで使っていました。そういう既存の知識が、作品を書くときプラスになっています」
読むたびに「いったい、この人の頭の中、どうなってるの?」と思う東野ワールドの創造の一片が、ほんの少しだけ見えたような。そして最後に、東野さんが今回の作品で苦労したところをもうひとつ教えてくれた。
「僕は男だから、女性のことは永久にわからないじゃないですか。だから女性の内面はなるべく書かないようにしてるんです。基本的に女性のことは悪く書かない。知らんから(笑)。知らんのによけいなことは書かないと(笑)。男の心理を書くことはまぁまぁ自信があるし、男のことは少々悪く書いたってかまわないと思ってるんです。こんなやついないよ、と言われても『いや、オレはこうだもん』と言えるから。『男はみんな美人に弱いんですね』と言われても『ええ、オレは弱いです』と言える(笑)。でも女性はねぇ……わからないんですよ、全然。
でも今回は、何人かの女性の内面を書かざるをえなかったので、そこは非常に苦労してます。たとえば若い男といい仲になる50代の女性・頼江の心理。あのへんは自分としては綱渡り。読む人にとっては読みどころではないかなと(笑)。女性の方にはサラリと読み流してほしいですね。あんな女はいない、女の気持ちがわかっとらん、というご意見もあるでしょうが、まぁ、おおめに見てほしいなと(笑)」
さぁ、東野さんが『幻夜』で女性を、そして男性をどう書いているのか、確かめてみてほしい。そして読み終わったら「あの男、かわいそうだよねぇ」「あの子の気持ち、わかる!」「ねぇねぇ、アレに気づいた?」と、読んだ者同士で盛り上がるべし! |
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インタビュー・文/石川敦子
カメラ/関 俊也 |
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