

東野圭吾(ひがしの・けいご)
1958年大阪市生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら小説を書き、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。その後執筆に専念、99年に広末涼子主演で映画化された『秘密』で第52回日本推理作家協会賞受賞。主な作品に『白夜行』『レイクサイド』など。近刊として『殺人の門』がある。
東野圭吾公式サイト
http://www.keigo-book.com/ |
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東野圭吾・作
集英社・刊
定価:1890円(税込)
ISBN:4-08-774668-2
“阪神淡路大震災”の混乱の中で出会った男と女。男は女に魅入られるように、その影となる。「幻の夜」を歩みつづける二人に、一人の男が近づいてきて…。『白夜行』の世界を凌ぐ、長編傑作!
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| 1995年冬、阪神淡路地方を襲った未曾有の大震災。その混乱の中で叔父を手にかけた水原雅也は一人の女性・新海美冬と出会い、運命に導かれるように東京へ向かう。美冬がビジネスで次々に成功をおさめる一方、美冬に魅入られた雅也は彼女の影として動く存在となる。そこに、美冬の過去に疑念を抱く刑事・加藤が現れ…。 |
ミステリ・ファンのあなた、そして東野圭吾ファンのあなた、お待たせしました! 1月26日(月)発売の最新刊『幻夜』は期待を裏切らない面白さ。読み終わった後、友達に「もう読んだ? 早く読んで!」とメールをしたくなること間違いなし。“あのこと”を語りたい、“このこと”について語り合いたい……うーん、まだ言えないのがもどかしい。そんなさまざまな魅力にとんだ作品なのだ。中でも真っ先に東野さんに聞いてみたいのは、ヒロイン・新海美冬のキャラクター。美貌と知性で男たちを手玉にとり、欲しいものを次々と手に入れていく。やがてじょじょに見えてくる、恐ろしい本性……この女性像は、どこから生まれてきたのだろう?
「男にとっての“究極の女”を創造してみたい、という気持ちがありました。女性には強く、したたかであってほしい。黙って耐える、芯の強いしっかり者、みたいな女性像はタイプじゃないんです。ドラマや映画で男の偉業を描く、たとえば『忠臣蔵』みたいなお話があると、必ずその影でじっと亭主を支えた『女たちの忠臣蔵』みたいな話もあるでしょう? そういう強さには、正直、うんざりするんです(笑)。もうエンタテインメントとしては飽き飽きしたなと。それよりとことん自分のために生きる、自分さえよければいい、くらいにがんばってくれたほうが『つえーなぁ』と思う。爽快ですよね。自分の愛する女性がそのくらい強ければいいな、と思うんです。何も心配いらないじゃないですか」
確かに新海美冬の強さは、男が心配してあげる必要なし。でも、もしも東野さんの愛する女性がそんな人だったら、東野さんのほうが心配かも……。
「そこなんですよね(笑)。『あなたのために助けてあげる』なんて言いながら実は利用されてるんだから、全然信用できない。ああいう女の人が、自分とは関係ないところにいたら面白くて痛快、という憧れかな。でも僕は雅也の気持ちもわかるんですよ。雅也は本当に好きな女のために影で支え続ける。自分はボロボロになりながら、女には幸せになってほしいと願う。そういうヒロイズムもあるんじゃないかな。そんな男になってみたいという願望もあるんです。実際はできないだろうけどね」
なるほど、雅也は昔ながらの「影でじっと男を支える女」の男版。新海美冬にはまって離れられない雅也の心理を追って読むのも、男心の研究として興味深い。
そして物語の小道具として登場する『風と共に去りぬ』。東野さんはお好きなのだろうか?
「スカーレット・オハラが好きなんです。なんで新海美冬のキャラクターが生まれたかというと、たぶんスカーレット・オハラを書きたいから。少しタイプは違うけど、イメージはかなりダブってますね。スカーレット・オハラはもともとちゃんとした家に生まれてるけど落ちぶれて、男をたらしこんだりしながら這い上がっていく。品はないけど、でもカッコいいなぁ、と僕なんかは思うんです。『風と共に去りぬ』は、物語の中でもキーワードになっています」 |
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インタビュー・文/石川敦子
カメラ/関 俊也 |
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