

『奇談』
(11月19日より全国ロードショー)
漫画家・諸星大二郎の『生命の木』を原作にした歴史ミステリー作品。プロデューサーは、『リング』『呪怨』などで世界的にジャパニーズ・ホラー旋風を巻き起こした鬼才・一瀬隆重。
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【ストーリー】
民俗学を専攻している大学院生・佐伯里美(藤澤恵麻)は、16年前、東北の山奥にある隠れキリシタン村で神隠しに遭った。当時の記憶は失われていたが、ある日から突然、神隠しに遭った頃の断片を、夢に見るようになっていた。その不思議な夢に誘われるかのように、渡戸村へと向かったのだが……。
“聖書ミステリー”は、日本人には馴染みが薄いですよね。最初に台本を読んだ時の印象を聞かせてください。
「“ちょっと恐いのかな”と思いましたが、最後まで読むとそんなことはなくて。いろんなことを考えさせられる、不思議な余韻が残る作品だなって思いました。ホラーは、ちょっと苦手。不思議な話でも、『ネバー・エンディング・ストーリー』のようなファンタジーは好きなんですが……」
この映画に主演したことで、こうした神秘的な話に興味を持つようになったりした?
「はい、確かにちょっと変わりましたね。今までは歴史に興味はあっても、没頭するまではいかなかった。 “隠れキリシタン”という存在も、知ってはいましたけど、深く考える機会はありませんでしたから。でも今、新聞や雑誌にこうした記事が出ていたら、間違いなく真っ先に読むと思います。この作品に携わっていなければ、きっと読まなかったんじゃないかな。
それと、やはりデリケートなストーリーなので、作品に関わる方々と、事前に“おはらい”に行ったんです。ただキリスト教をめぐるお話なので“ということは教会でおはらい?”って思ったり。あんまり聞きませんよね(笑)? 結局、神社に行ったんですが“ここでいいのかな”って少しドキドキしちゃいました」
スクリーンで見る恵麻ちゃんと、雑誌で見る恵麻ちゃんとでは、ずいぶん印象が違って見えました。映画では、かなり大人っぽくてビックリ!
「私は、なにをする時も“自分ではない”という意識なんです。役者としても、モデルとしても、その時の場所やテーマなどに合わせたキャラクターになるようにしていて……。だから、いつもと同じ藤澤恵麻ではなく、映画を見て別人に見えたと言っていただけて嬉しいです。
撮影は、辛いなぁというよりは、難しいなぁって思いました。演技の面では自分はまだまだ新米だし。それに演技って、ひたすら“考える”ことが多いので。雑誌の撮影だと“感じる”作業というか、その時のカメラマンとのリズムで撮ったり、その場の雰囲気に柔軟に合わせてゆくことが重要で。それが映画やドラマになると、雰囲気や感覚で仕事をやっていくというより、最初から入念に考え抜いて演技することが大事になる。そういう意味では、気力の消耗が激しかったです」
共演者の阿部寛さんに、演技についての助言をもらったりしましたか?
「演技について、おうかがいしたいことはありましたが、直接はたずねませんでした。“まずは自分でがんばってみよう”と思って。ただ、演技を間近で見て、学ばせていただいたという気持ちはあります。

でも阿部さんって、話しづらい感じの人では全然なくって。なにか1つ質問すると、惜しげもなくいろんな答えを出してくれるんですよ。人に対して垣根を作らない方なので、お話している時は本当に楽しかったです」