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| 退団の決意をいったん翻してまで演じた、オスカル。その魅力は「ありえないくらいステキなところ」と言う大輝さん。 |
| 「だって、そうでしょう。顔がすごくちっちゃくて、足が(手を広げて)こーんなに長くて、金髪の上からはみ出るくらいまつ毛も長くて、もう、ありえない(笑)。普通の人間が演じていいのか?と思ってしまうキャラクターですもん。まあ、先輩方が演じていらっしゃったわけだから、演じてもいいか、と思いなおしましたけど(笑)。でも、自分がどこまで近づけるのか、という不安はずっとありました。“男装の麗人”という設定は、女の子が男性を演じる宝塚では、究極の憧れですからね。」 |
いかに美しく見せるか。とにかくまず、そこから役作りをしたとか。

「お稽古は、初演でオスカルを演じた榛名由梨さんが指導してくださったのが、ありがたかったですね。榛名さんは、歌舞伎出身の名優・長谷川一夫先生に直々にご指導を受けていらっしゃったんです。オスカルを演じるということは、歌舞伎と似たところがあります。どうすれば美しく見えるか、という“型”みたいなものですね――を作ることが大事と教えていただきました。『初演でオスカルを演じるなんて許せない!』という抗議の手紙が殺到したなか、オスカルを演じた榛名さんだからこそのアドバイスだったと思います。」 |
| オスカルが舞台に初登場する時、舞台上にある池田先生の大きなイラスト。これがかなりのプレッシャーに。 |
| 「うわあ、このオスカルに負けちゃいけない、イラストよりもオスカルらしいオスカルにならなければ、と。幕が開く時というのは、いつもうれしいのですが、この時ばかりは、うれしさと不安が半々。その気持ちは公演中、ずっと変わらないままでしたね。気持ちを落ち着けるために、また、よりオスカルらしいオスカルになるために、ヒマがあったら、金髪のカツラを梳かしていました。私が一番美しいと思った原作本のオスカルが死ぬ場面のページを開きながら、どうしたら、マンガのオスカルに近づけるかしらと、ああでもない、こうでもない、といろいろやってみたものです。一番好きな場面も、バスティーユ襲撃でオスカルが死ぬところ。微笑みながら、『フランス・・・・ばんざい』と言う場面ですね」 |
現在、舞台『劇場の神様』公演の真っ最中の大輝さん。他の女性と劇団の座長を奪い合う女優役を、コミカルに演じていらっしゃいます。

「オスカルという超二枚目を演じることができたから、もう二枚目はいいいや、と思っているんです。私はこういう顔ですから(笑)、きつい女性役が多いのですが、今回の役どころは、演じていてとても楽しい。舞台上で、ライバルの女優さんとわざとらしく挨拶を交わす場面などで、お客様の笑い声が起こると、『ああ、ちゃんとお客様は私たちの関係を理解してくださっているんだな』と、ホッと安心して、ますます次の場面からの演技が楽しくなりますね」 |
| 『劇場の神様』の中で、ライバルと「女優」という字の受け取り方が対立する場面があります。「女が優秀と書いて、女優」「女が優しいと書いて女優」。大輝さんご自身は、はたしてどっち派なのですか!? |
| 「その後に、『女優はアホやさかい』ってセリフがあるでしょう。答えはあれだと思う(笑)。本当に、女優なんてアホじゃないとできません。芝居はね、頭で考えちゃあ、ダメなんですよ」 |
| 間近で見ても超美人な大輝さんですが、今後はもっともっと「面白い役」に挑戦していきたいそう。美人が「面白い役」を演じると、おかしさが倍増することは、今回の『劇場の神様』で証明済み。次はどんな役を演じてくれるのか、期待してお待ちしています! |
インタビュー・文/中沢明子
撮影/細川葉子 |